紫垣英昭
昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介
短期売買では、儲けることはもちろんですが、何と言っても資金の損失を真っ先に減らしていかなければいけません。
今回は、あなたの資産が減るのを防ぐ確実な方法をご紹介したいと思います。
ぜひ、短期売買の成功に役立ててみてください。
※この動画は過去に撮影した動画を再編集したものです。
- 個人投資家が損をする要因がわかる
- 上手く損切りを実行するための方法がわかる
- 損失に対する対処法や心構えがわかる
個人投資家が損をする2大要因
個人投資家は、主に以下のことが大きな要因となり損をしています。
- 高値圏での「飛びつき買い」
- 損きりを先送りしたことによる、含み損の拡大
まず、1つ例をあげてみましょう。
こちらは、コスモ・バイオ(3386)という銘柄です。iPSや再生医療関係の銘柄で、650円から約10倍と非常に大きく上昇をしました。
名前は出しませんが、ある投資顧問会社のセミナーで、下の画像右端の赤丸のあたりで買うことを勧めています。
しかし、現状赤丸のあたりは、たった6営業日で株価が3倍に上昇したところです。結局、どのような結果になったかというと下の画像。
買った翌日は買いの傾向が見られますが、その後、一気に大暴落をしました。
一瞬戻る事もありましたが、もう売ることは不可能な状況です。
大半の個人投資家は、赤丸のあたりで買って株価が下がっても、一度戻る様子が出てくるとまた株価が上昇していくと思ってしまいます。
しかし、もしこのまま上昇をしていくのであれば、高値を絶対に抜けなければいけません。
1番最初の特典教材の「トレンドの定義」でもお話しました。下の画像の赤線のあたりで高値を抜ければ、トレンドが継続しているという判断ができます。
しかし、このパターンでは、高値を突破せず下がっていきました。その場合は、損切りをしなければいけません。
セミナーで勧められたところで買った側からすると、なかなか損切りができる心理にならないでしょう。
結局、ズルズルと続けてしまい200万円程損をしてしまいました。
この例に限らず、高値圏での飛びつき買いをしてしまい、最終的に損をしてしまう個人投資家はとても多いです。
特に、ナノキャリア(4571)や新日本科学(2395)といった再生医療関連の銘柄は、高値で飛びついて買って、その後数百万円レベルの大損をしている方が沢山います。
高額な月額料金を払って投資顧問会社から情報をもらっても、損をしてしまっては意味がありません。
初動の段階で買っていれば良いですが、情報に惑わされて損切りを先送りにしてしまうと危険です。
情報に惑わされてしまいやすいので、私は投資顧問会社には頼らないほうが良いと思います。
「高値圏での飛びつき買い」「損切りを先送りにしたことによる含み損の拡大」、これをやっている限りお金は増えません。
こまめに損切りをした人の方が、お金を増やしています。
まずは、ここを徹底的に頭と体に染み込ませてください。
それでは、具体的にどのようにしたら良いのか、さらに詳しくお話していきたいと思います。
上手く損切りを実行するための方法
損切りを上手に実行するにはどうしたら良いのか、私がお勧めしている方法をお伝え致します。
例えば、下の画像の赤線のあたりで買ったとしましょう。
短期売買の場合は、ここから損切りの位置は、約定代金ベースの2、3%くらいにすると良いでしょう。
このケースで言うと、仮に6,000円で買った場合、3%だったら5,820円のあたりで損切りをしなければいけません。
「え!そんなにすぐに損切りをするの?!」と驚く方も多いと思いますが、これが短期売買の鉄則です。
この例のように、高値で買うと2、3%というのはすぐにヒットしてしまいます。
しかし、下の画像の赤丸のあたりのように初動の段階で買うことができれば、2、3%というのはそうそうヒットしません。
逃げることができる部分があり、利益確定をすることができるでしょう。
「逆指値注文」を入れて強制的に執行する
それでは、今回のように高値で買ってしまった場合はどうしたら良いのでしょうか。
「これ以上損をしたら嫌だ」というラインが-3%だったら、ポジションを取ったと同時にそこに「逆指値注文」を入れておきましょう。そうすると、否が応でもそこで執行されます。
このようにして、上手く損切りをして欲しいと思います。
保有している株数の半分だけ損切りする
そのほか、複数単元を保有している場合はどうしたら良いでしょうか。
例えば、5,000株を全部損切りするのは流石に厳しい状況だとします。
その場合は、半分の3,000株をまず処分すると良いでしょう。こちらは、どちらかというと後ろ向きのやり方です。
本当は5,000株全て損切りするのが正しいやり方ですが、やはり、どうしても心理的にキツイということがあると思います。
そういった時は、その半分だけでも確実に損切りしましょう。
翌日の寄り付きで、すべて損切りする
また、例えば今日買って大引け段階で評価損になっているのであれば、翌日の寄り付きで全て損切りをしてしまいましょう。
こういうことも、場合によっては必要です。
これは、市場の環境確認も含めて「どうしても自分のポジションがアゲインストだな」という場合は、私も時々使います。
上手く損切りをして、大損を避けていきましょう。
株式投資で成功したいなら、損失は“喜んで”受け入れろ!
株式投資、主に短期売買で成功したいのであれば、損失は喜んで受け入れなければいけません。
プロ・トレーダーは、そもそも全てのトレードで勝とうと思っていません。
彼らは、10回トレードしたらその半分は負けると分かっています。
その確率論の中で、自分が優位性を保てるポジションのルールを持っている訳です。
あとは、彼ら自身が立案したルールに忠実に行動するだけです。
したがって、プロと言われている人たちは、損失に対してネガティブな感情を持っていません。
受講生の皆さんは、「儲ける」という視点を捨ててください。
「儲ける」という気持ちが強ければ強いほど損切りができなくなります。「元本を守る」という視点にシフトしていきましょう。
「いかにして元本を守るか」という視点にシフトしていくことによって、今度は「元本を守ろう」という意識が強くなります。損切りに動くための行動が出やすくなるでしょう。
ここは、とても重要なところなので、ぜひ皆さんに守って頂きたいと思います。
まとめ
短期売買をやる上において、損切りのスキルというのは必須です。
そして、さらに1回の売買で5%以上の損失を絶対に被ってはいけません。
これは数学的に立証されていることです。
短期売買で10%、20%で損切りをしていると、確実に破産をします。
短期売買の場合は、利益確定も損切りも概ね2%〜3%が限界値です。
私の場合は、大体1%程度で損切りをしてしまいます。なぜなら、それだけ損失額が少なくて済むからです。
まずは、「儲ける」ではなく「元本を守る」という視点に変えていくところから始めていきましょう。
これを本当に続けていけば、お金は減りません。3連敗した場合でも、資金を10%も失ってしまうということはないでしょう。
皆さんも、ぜひ、このスキルを身に付けて頂きたいと思います。
紫垣 英昭
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