投資資金を守れ!「損切り」で株式投資を成功させるための方法とは?

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紫垣英昭

昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介

株式投資をする際、「株価が下落して」その後「回復が見込めない」場合は、株式を売却して損失を確定させる「損切り」を行います。

投資家にとって、損失はできる限り防ぎたいものですが、「損切りで投資を成功させる」とはどういうことなのでしょうか。

今回は、上手く損切りを実行するための方法と共に、損切りが上手いと儲かる理由を解説していきたいと思います。

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※この動画は過去に撮影した動画を再編集したものです。市況などは撮影当時のものになります。

※動画では、楽天証券の「マーケットスピード」というソフトを使っています。

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1.上手く損切りを実行するための方法

投資資金を守るには、「損切り」を成功させることが大切です。

どのように上手く損切りを実行すれば良いのか、今回は6つのポイントに分けてまとめてみました。

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1-1 逆指値注文を入れ、強制的に執行する

ポイントの1つ目は、リスク率から算定した区画で「逆指値注文」を入れ、「強制的に執行する」方法です。

ここでいう「リスク率」とは何でしょうか。

例えば、投資資金100万円を持っていたとします。

この100万円が90万円になったときに撤退した場合は、リスク率10%になります。

つまり、投資をストップする段階を算定するための割合ということです。

リスク率というのは、個々のスタンスや力量、あるいは資金額によって変わってきます。

例えば、短期売買(デイトレード)の場合、リスク率は2%程度が望ましいでしょう。長期投資の場合は、リスク率20%程度でも良いと思います。

短期売買になるほどリスク率は小さくなり、長期になるほどリスク率は大きくなります。

各々の資金額や感覚、力量の部分を冷静に判断して、事前にリスク率を設定しておきましょう。

1-2 保有株数の半分だけ損切りする

ポイントの2つ目は、「複数単元」を保有している場合、あらかじめ決めていた損切りラインに達した際に、「半分だけ損切りする」方法です。

株式投資をしていると、たまたま価格が逆に振れていているだけで、かなりの確率でまた価格が上がるのではないか、全部損をするということはないのではないか、と感じることがあります。

予測が当たらず、そのまま下がってしまうこともありますが、下がってもすぐ価格が戻る場合もあります。

全部損するのは少し気が引けるという場合は、保有株数の半分だけ損切りして、残り半分は残しておくようにすることでポジションを調整するようにしましょう。

仮に、不利な方向に行ったとしても、すでに半分損切っているので50%以上の損失を出さずに済みます

このように、保有株数を分けるというマネジメントをすることで損失額を減らすというのも一つの方法です。

「半分だけ損切りする」というところをポイントに、状況に応じて使い分けてみましょう。

1-3 翌日の寄付きで、全て損切りする

ポイントの3つ目は、「大引けで価格損」になっているなら、「翌日の寄付きで全て損切りする」方法です。

こちらは、どちらかというとデイトレードや短期売買で行うことが多い方法なので、長期投資の場合はあまり当てはまりません

1-4 50%は損失の取引であることを認識する

ポイントの4つ目は、「エントリーの50%は損失の取引である」としっかり認識することです。

全ての取引で勝つということは、誰がやっても不可能です。

ジョージ・ソロスがやっても、ウォーレン・バフェットがやっても全勝することはあり得ません

「50%は損失の取引である」ということをしっかりと認識しておきましょう。

1-5 知人に背中を押してもらう

ポイントの5つ目は、友人や証券会社のブローカーに背中を押してもらうという方法です。

ネット取引の場合は、「証券会社のブローカーに」というのは当てはまらないかもしれませんが、その場合は、友人などに背中を押してもらうと良いでしょう。

例えば、「1000円の株が800円を切ったら損切るから、そのときは背中を押してくれ」と伝えておくと損切りが出来ないということがなくなります。

禁煙をする場合に似ていますね。

禁煙を成功させるために、周囲の人間に「禁煙します」と伝えたりする場面を目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。

周囲の人間に自分のプランをあらかじめ知らせておくと、実際に、その時になったら背中を押してもらうことができます。

損切りを確実に成功させるためには、時として強制的に売りに誘導してもらうことも必要です。

1-6 過去の暴落しているチャートを見て学ぶ

ポイントの6つ目は、過去に暴落している株式チャートを見ながら、損失が遅れた場合、損失が加速度的に拡大すると学ぶという方法です。

例えば、新日鉄のチャートを参考に見てみましょう。

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これは、800円だったものが、結局300円を割り込んでしまったときのチャートです。

途中で損切りをしなかった場合、膨大な損失となってしまうことが分かります。

こうした銘柄は沢山あるので、頭にパターンとして焼き付けておくと良いでしょう。

下がり出すと株価は半分以下になります。損切りが遅れないよう、過去のチャートを見て事前に学んでおくことが大切です。

他にも、たくさん損切りの方法はあると思いますが、まずは、これら6つのポイントをしっかり抑えてみましょう。

株式投資を進めていくうちに、自分なりの方法を見つけた場合は、それも積極的に取り入れていってください。

2.損切りが上手いと儲かる理由

損切りをする理由はただ1つ、「投資資金を守るために行う」これに尽きます。

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結局、資金を失ってしまうと、投資をしたくても出来なくなってしまいます。

どれだけ儲かりそうな銘柄を見つけても、投資資金がないとどうしようもありません。

しっかり損切りをして、いかに長く市場で売買できるかという一点に集中しましょう。

ジョージ・ソロスもウォーレン・バフェットも同じことを言っています。

投資資金は絶対に守らなければなりません。投資資金を守るために、損切りを確実に行っていきましょう。

そして、過去のステップで学んだように、目標を持ってしっかりとプランを立てることが大切です。

6:07ころ

  • 安全で利益率が高い会社を選ぶとリスクは減ります。
  • 選んだ銘柄をベストなタイミングで買うことでさらにリスクは減ります。
  • 自分の勝ちパターンを作ることでもリスクは減らすことができます。

つまり、これまでに学んできたことは、資金を守るため必要なことだという訳です。

資金を守ることができれば、勝率は50%なのでお金はだんだん増えていきます。

断言はしませんが、これまでに学んだことを確実に行っていけば100万円は儲かります。

これから株式投資をされる方は、大きな間違いがなくなるでしょう。

焦らずに、着実に資金を増やせる投資家になっていただきたいと思います。

まとめ

なぜ「損切りが上手いと儲かる」のか、お分かりいただけたでしょうか。

これまでに学んできたことをベースに、損切りを成功させる6つのポイントをしっかり抑えていけば、儲かる確率は格段に高まります。

皆さんのパフォーマンスは、一気に変わっていくでしょう。

すべては「投資資金を守るため」、これを念頭に、確実な方法でお金を増やしていくことが大切です。

紫垣 英昭