紫垣英昭
昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介
スマートフォンの普及により、株アプリで株式取引をする人が増えています。
しかし、証券会社の数だけ株アプリが存在するので、どれを選べばいいか分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、株アプリの選び方やおすすめの株アプリを紹介します。
株アプリを適当に選んでしまい、使いにくくて取引に影響が出ないように慎重に選びましょう。
・株アプリの選び方が分かる
・おすすめの株アプリ7選が分かる
・株アプリ特有の注意点を理解できる
株アプリの機能や魅力とは
まずは株アプリの魅力や、どのような特徴があるのかを解説します。
いつでもどこでも株取引ができる
株アプリの一番の魅力は、スマートフォンを利用するので、外出先や仕事の休憩時間にも取引ができることです。
いつでも取引が可能なので、株価の急な下落や大きなニュースが発表されても対応できる可能性が高まります。
また、電車での移動中や隙間時間を有効活用できるようになります。
忙しくてあまりトレードができていない方には嬉しいポイントではないでしょうか。
投資情報をリアルタイムで確認できる
株アプリでは取引に必要な情報が十分に得られない、と思っている方も多いかもしれません。
しかし、株アプリはひと昔前に比べるとかなり進化しており、取引をするのに十分な情報を提供してくれます。
各社により提供される投資情報は若干異なりますが、デイトレードに便利なランキング、長期投資の銘柄選定に必要な四季報情報、基本的な情報である気配値・歩み値など、投資に必要な情報は揃っていると言えるでしょう。
株アプリの選び方
株アプリは各証券会社が提供しているので、種類が数多くあります。ここでは、どのように株アプリを選べばいいか解説します。
使いやすさで選ぶ
株アプリの選び方で、まず確認したいのは使いやすさです。
欲しい投資情報がすぐに得られなかったり、発注が遅れたりすると、イライラが溜まりトレードに影響します。
できるだけ、自分に合った株アプリを選びましょう。
株アプリの使いやすさを確認するためにチェックするポイントは下記の通りです。
・チャートは見やすいか
・銘柄は探しやすいか
・投資情報が見やすいか
株アプリの使いやすさは、ユーザーの好みによっても変わってきます。できれば、一度使ってみて判断するのがベストです。
取引可能な投資商品から選ぶ
証券会社で取引できる商品には日本株だけでなく、米国株・先物・投資信託など多くの商品があります。株アプリではすべての商品を購入できるわけでなく、メジャーな商品に限られます。
自分が取引したいと思っている投資商品があるかを確認しましょう。
また、多くの個人投資家が利用しているNISAや、つみたてNISAの取引ができる株アプリも増えています。
いまは興味が無くても、後々取引したいと思う投資商品が出てくる可能性もあります。なるべく多くの投資商品を扱える株アプリを選ぶといいでしょう。
注文のしやすさで選ぶ
デイトレードやスイングトレードでは、一瞬の判断で発注する必要があります。株アプリでの発注に時間がかかり少しでも遅れると、大きな損失に繋がります。
株アプリにはスピード注文に対応しているものもあります。
最短、1タップで取引ができるので、特にデイトレードをメインにしている方におすすめです。
スピード注文は素早く発注できるので便利ですが、あせって意図しない発注をしてしまうこともあるので注意が必要です。
特に株アプリでは小さな画面で操作をしているので、パソコンでの取引よりも誤発注の確率は上がります。
おすすめ株アプリ7選
株アプリは多くの種類があるので、ここではおすすめ株アプリの特徴などを紹介します。
楽天証券
楽天証券のiSPEEDは、自分好みにカスタマイズして使いたい方におすすめです。
「MyPage」の表示では、株価やニュース、チャート、注文照会など30種類以上のメニューから好きなものを選んで表示可能です。自分の投資スタイルに合わせて、自由自在に組み替えられます。
また、楽天証券の投資情報メディアであるトウシルの記事や動画をアプリ内で見ることができます。
移動中に情報収集をしたい方や、動画で投資について勉強したい方にもおすすめです。
また、iPad専用アプリの「iSPEED for iPad」も用意されています。
iPadの大きな画面サイズに合うように設計されており、投資情報がより確認しやすい設計です。
その他にも、FX用の「iSPEED FX」や先物取引用の「iSPEED 先物OP」など専用のアプリが用意されているので、それぞれの投資商品に最適化されたアプリを使うことができます。
LINE証券
LINE証券の株アプリは、もともとLINEを運営していたためスマホユーザーに対するノウハウがあり、とても取引しやすいアプリです。
LINE証券は20代が選ぶスマホ利用で使いやすいネット証券No.1にも選ばれています。
また、LINE証券の株アプリはLINEアプリ内に組み込まれているので、追加で株アプリをインストールする必要がありません。
1株数百円から始められる単元未満株や業界最低水準の手数料、直感的に操作できるシンプルなデザインなど、初心者の方でも使いやすい株アプリです。
マネックス証券
マネックス証券のマネックストレーダーは初心者からベテラン投資家まで使える、豊富な機能を持った株アプリです。
個別銘柄の画面から注文画面をスライドするだけで、すぐに発注が可能。
考え抜かれた発注までの導線で、取引に必要な情報にアクセスしやすく設計されています。
多彩なランキング項目や最大900銘柄まで登録できる銘柄リスト、充実したテクニカルチャートなど多くの情報を取得することが可能です。
米国株式の銘柄が充実しており、名古屋や福岡など地方の取引所の銘柄も扱っているので、投資の選択肢が広がることも注目ポイントです。
PayPay証券
PayPay証券の株アプリは初心者向けの機能が充実しています。
例えば、どの銘柄に投資するか迷ったときには、マンガで企業や株式の歴史を学べます。
いま話題のテスラの歴史など、最新企業の情報もあるので活字を読むのが苦手な人でも、簡単に情報収集が可能です。
また、保有銘柄が一覧になっているポートフォリオでは、円グラフの割合を調整するだけで、該当銘柄の売買ができます。
直感的に操作できるので、保有銘柄の組み替えに苦労しません。
取扱商品は国内株式や米国株式を中心に、ETFや単元未満株もあります。
難しいことは考えずに、気楽に投資をしたいという方におすすめのアプリです。
松井証券
松井証券の株アプリは、銘柄の検索から情報収集まですべてアプリ内で完結できることが特徴です。
チャート表示は、詳細チャート・4分割チャート・比較チャートなどが表示可能。チャートの設定も自分の好みで設定できます。
株アプリでもテクニカル分析を詳しくしたい方におすすめです。
注文方法には、「シンプル注文」と「詳細注文」があります。
シンプル注文はデイトレードなどで素早く発注したい人向けに、簡易発注が可能になっています。
詳細注文は、逆指値や返済予約注文など機能を駆使した発注をしたい人向けです。
シンプルに分かりやすい機能で使いたい初心者の方にも、自分の好みに多彩な機能を使用して分析をしたいベテランの方にも満足していただけるアプリです。
auカブコム証券
auカブコム証券の「kabu.com」は、マーケット情報やランキング、投資ニュース情報など多くの情報を高い水準で提供してくれる株アプリです。
特に注目するべきなのは、マーケット情報と高機能チャートです。
マーケット情報は主要な指標や為替・ニュース・14種類のランキング・四季報など豊富な情報を確認できます。
高機能チャートは、移動平均・ボリンジャーバンド・一目均衡表・MACDなど主要なテクニカルチャートを含む全25種類が用意されています。
また、チャートの拡大・縮小も可能なので、細かな動きを確認する時にも便利です。
投資情報の動画や経済イベントカレンダーなど、投資サポート機能も充実しているので、安心して取引をすることができます。
GMOクリック証券
GMOクリック証券の「株roid」は、流れるように取引可能な操作性を重視した株アプリです。
株アプリ内のどの画面を表示していても、発注や情報収集がおこなえるので、発注画面への移動によるストレスが無くなり、取引のスピードも上がります。
また、銘柄のウォッチリストは、PCの会員ページと同期されるので、気になる銘柄の動向はいつでも最新の状態で確認可能です。
提携金融機関からの即時入金に対応しているので、資金移動の待機時間が無くなり、効率的な運用ができます。
ユーザビリティに優れた株アプリなので、スムーズな取引・情報収集を好む方におすすめです。
株アプリでの取引の始め方
お気に入りの株アプリが見つかったら、実際に取引を始める準備をしましょう。
ここでは、株アプリを利用して取引を開始するまでの流れを解説します。
①証券会社に口座を開設する
まずは、お気に入りの株アプリを提供している証券会社のホームページから、取引口座開設の手続きをしましょう。
基本的に口座開設はオンラインでの手続きのみで完結します。
ユーザー情報を入力して、帆人確認書類をアップロードすれば、開設手続きは完了です。
②口座に取引用の資金を入金する
証券会社の口座開設が完了したら、実際に株式を購入するための資金を入金します。
銀行に行ってATMから証券会社の口座への入金も可能ですが、ネットバンキングを持っていればネット上だけで入金が可能です。
即時入金に対応しているアプリであれば、追証が発生した場合など素早い入金が可能ですので、ネット経由での入金がおすすめです。
③スマートフォンに株アプリをインストールする
取引用の資金を入金したら、証券会社が提供している株アプリをインストールしましょう。
口座開設時にIDとパスワードを決めてあるので、株アプリに入力してログインすれば、事前に入金した資金がアプリにも反映されています。
④銘柄を選んで購入する
あとは、株アプリの豊富な投資情報から銘柄を選んで購入するだけです。
初めて株アプリを利用するのであれば、まずは少額の株式を購入して取引に慣れておきましょう。
株アプリで取引する際の注意点
株アプリを利用しての取引は、パソコンでの取引とは違った点に注意する必要があります。
ここでは、株アプリで取引をする際の特有の注意点を解説します。
PCでの取引よりは発注が遅くなる
ここまで説明したように、株アプリは発注のスピードが上がるように工夫されています。
しかし、通信速度や操作性、情報収集の早さにより、パソコンでの取引よりはどうしても発注のスピードは落ちてしまいます。
デイトレードをしていると、その一瞬のタイミングが勝敗を分けることもあるので注意しましょう。
電波状況や電池残量に注意をする
株アプリはスマートフォンを利用しているので、電波状況や電池残量にも注意が必要です。
電話状況が悪いと、発注ボタンを押してから完了するまでに、タイムラグが生じる場合があります。また、情報収集のスピードも落ちます。
発注をする前には、電波状況が悪くないか確認するようにしましょう。
電池残量が無くなると、取引自体ができなくなるので絶好の売買タイミングを逃してしまう可能性があります。
電池が切れていたため、保有していた株が大暴落していても、売るに売れなかったという状況も想定されます。
まとめ
株アプリはスマートフォンを利用するので、いつでもどこでも株取引ができます。
日中は仕事で時間がない会社員や家事で忙しい主婦でも、隙間時間で取引ができるようになります。
株アプリを選ぶ際には、取扱銘柄・使いやすさ・投資情報の充実度に注目してください。
スマートフォンの小さな画面で取引するので、特に使いやすさは重要なポイントです。
また、パソコンよりは注文スピードが遅くなる・電波状況や電池残量に注意をするなど株アプリ特有の問題点もあります。
自分に最適な株アプリを選んで、利益を伸ばしていきましょう。
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
紫垣 英昭
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