紫垣英昭
昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介
今回は、「経済指標発表スケジュールをどのようにデイトレードの戦術に活かしていくか」についてお話致します。
皆さんは、トレードをしていて予想外に相場が大きく動き、損をしてしまったことはありませんか?
相場が大きく動くときは、経済指標発表スケジュールが関係していることが多いです。
経済指標発表スケジュールをチェックしていれば、「予想外の動き」が「想定通りの動き」に変わることもあります。
この記事では、経済指標発表スケジュールの重要性・活用方法について解説致します。
※この動画は過去に撮影した動画を再編集したものです。
- 経済指標発表スケジュールの重要性の理解
- 経済指標発表スケジュールの情報の取り方
- 経済指標発表スケジュールの活用の仕方
経済発表スケジュールの重要性
重要な経済指標発表スケジュールは、主に以下の3つです。
- アメリカ
- 中国
- 日本銀行
それぞれについて解説していきます。
アメリカの経済指標発表スケジュール
相場に影響がある経済指標発表スケジュールは、やはり、アメリカの経済指標が多いです。
アメリカの経済指標発表の時間は、日本の株式市場は開いていませんので、翌日の相場の参考にします。
中国の経済指標発表スケジュール
同様に、中国の経済指標発表スケジュールも重要です。
こちらは、日本の株式市場が開いている時間帯に発表があります。
特に、中国の経済に関わるものと消費に関わる発表が重要です。日本時間の午前10時半くらいに発表されることが多いですね。
この数字の出方によっては、先物の動きが大きく変わってきます。したがって、個別株の動きにも影響が出てくるということです。
日本銀行の経済指標発表スケジュール
日銀(日本銀行)の発表も影響力を増してきています。
日銀の金融政策決定会合は、2日間にわたって行われます。2日目の午後1時前後に政策金利の発表が行われます。
近年では、日本の場合は政策金利の発表と言っても、金利を上げることはありません。追加緩和がなされるかどうかというところです。
引け後の午後4時くらいには、黒田総裁の記者会見があります。
この内容によっては、為替のマーケットが大きく変わってきます。午後4時半から日経225先物の夜間取引が始まりますが、そちらの動きも変わってきます。
どこから経済発表スケジュールの情報を取ればいいか
経済発表のスケジュールはいくつかのサイトで発表されていますが、基本的にはどこのサイトでも構いません。ちなみに、私はYahoo!ファイナンスを使っています。
サイトによっては、発表スケジュールが1週間ごとにしか公開されていませんが、Yahoo!ファイナンスは、かなり先の日程まで公開されています。
また、過去のデータも残っていますので、私はYahoo!ファイナンスを利用することが多いですね。
Yahoo!ファイナンスのトップページに「FX・外国為替」がありますので、そこから「経済指標」をクリックすると直近のスケジュールが表示されます。
経済指標発表スケジュールは、以下の理由からYahoo!ファイナンスがオススメ
・1週間以上先のスケジュールまで載っている
・過去の発表データも残っている
経済指標発表スケジュールのポイント
前回の無料通信講座で、「毎日NY市場に関してのニュースを見てください」というお話をいたしました。NY市場のニュースを読んで、市場参加者の動向を感じ取るためです。
NY市場のニュースの中でよくあるのが、雇用統計が発表されたという内容です。
「予想以上の良い数字が出たからNY株が大きく上がった」とか、「新規失業保険申請件数が予想よりも大幅に落ち込んだためにNY株が売られた」などの記事が出てきます。
このような記事を読んでいると、発表される経済指標の中で、どれが株式マーケットや外国為替市場に影響のあるものか分かってきます。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の場合
例えば、代表的なものだと、もうすぐ米連邦公開市場委員会(FOMC)が始まります。
これが大きな影響があるとなれば、デイトレードをする場合は、3月17日の午前中までには手仕舞いしなくてはなりません。
日銀・金融政策決定会合の場合
例えば、来週の月曜日(3月16日)に、日銀の金融政策決定会合第1日目が始まります。
1日目はほとんど市場に影響はありませんが、翌17日の午後に発表があります。ここで大きなニュースがあれば、マーケットも大きく動きます。
日銀の発表は、3月17日の午後一番にありますので、午前中のマーケットはなかなか動きづらいです。
そのため、デイトレードの戦略としては、3月17日午後から新たにエントリーを仕掛けていくべきです。
このように経済指標の発表によって、戦術の時間配分が決まってきます。
実際に、証券会社や銀行で働いているディーラーは、必ず経済指標発表スケジュールを見て、自分のポジションを厚めにしていくか、薄めにしていくかを決めています。
経済指標発表スケジュールは、かなり重要なものだと覚えてください。
経済指標発表スケジュールが重要な理由
デイトレードの場合は、その日にポジションを閉じてしまいますので、アメリカの影響はそれほど受けないかもしれません。
しかし、これまでお話したように経済指標発表スケジュールの並びは、戦略を決める上でとても重要です。
もう一つ例を挙げて説明しましょう。3月24日火曜日にアメリカで新築住宅販売件数が発表されます。
新築住宅販売件数は、アメリカの住宅需要がどれくらいかという指標になります。この数字の出方によってはNY株が大きく動いたり、米株の不動産系の銘柄が大きく動いたりします。
したがって、翌日25日に日本の不動産系や住宅系の市場が動いてくる可能性があります。
こういった動きをしっかり見ておきましょう。また、ここからいろいろと売買のアイディアも出てくると思います。
まとめ
経済指標発表スケジュールの重要性はご理解いただけましたか。
皆さんは、こういった経済指標をあまり気にされたことはないかと思いますが、デイトレードの戦術を構築するのにとても重要な指標ですので、今後はチェックしていただければと思います。
定期的にチェックをしていけば、「どの指標がどれくらいの数字だったから、日本市場にはこれくらいの影響が出るはずだ」と予想を立てられるようになります。
以前お伝えしたNY市場のニュースを読んで、市場参加者の動向を掴んだ上で、経済指標発表スケジュールからの予想を組み合わせていけば、きっと皆さんの強力な武器になるはずです。
紫垣 英昭
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