デイトレでの銘柄選びは相場のスピードに注目!相場のスピードで戦術は変わる

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紫垣英昭

昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介

今回は、「相場の動くスピードで戦術は変わる」をテーマにお話し致します。

デイトレードは、1日の中での相場の振幅をとっていく戦略なので、相場のスピードが早い方が収益になる可能性が高くなります。

また、相場のスピードが早ければ、収益になる時間も早いですよね。

買いや売りがどんどん出ている時は値動きが激しく、相場にスピードが出ています。

私は、スピードがある銘柄がすごく好きです。なぜなら、すぐに収益が出る領域に入るからです。

反対に、ゆっくり動いている相場はプラスの領域になかなか変わってくれません。

この「相場のスピードがある銘柄の戦術」について、今日はお話していきます。

実際のマーケットを例に出しながら解説しますので、分かりやすい内容になっていると思います。

ぜひ、最後までご覧いただけると嬉しいです。

この記事の解説を、動画で観たい方はこちら

※この動画は過去に撮影した動画を再編集したものです。

この記事を読んで得られること
  • 相場のスピードによる戦術の違いを理解できる
  • どのようなチャートが加速の付いている銘柄か分かる
  • リアルタイムの具体例で取引のスピード感が分かる

相場の動くスピードで戦術は変わる

1:23ころ

以前、「デイトレードは基本的に逆張りが有効だ」というお話をさせていただきました。

しかし、順張りも時には有効です。順張りが有効かどうかは、相場の動くスピードで決まります

相場の動くスピードが早ければ、どんどん上の板を取っていったり、どんどん下の板を叩いたりします。

こういったスピードのある銘柄は順張りでも取れます。むしろ順張りでないといけないですよね。

上に加速が付いているのに逆張りをして待っていると、約定せずにどんどん相場が上にいってしまいます。

こういう時は、思い切って直近の高値を取っていくスピードと判断力が求められます。

相場のスピードによる戦術を大別すると、以下のようになります。

  • スピードが早いときは上を買う、下を売る(順張り)
  • スピードが遅いときは上を売り、下を買う(逆張り)

日経225に関連する銘柄は、あまりスピードが早くありません。上下板がたっぷりありますから、一気に取っていく動きはないですよね。

スピードが早い銘柄は、新興市場や小型系の銘柄です。東証1部では小型材料株と言われているものです。

この2つの戦術は、ぜひ頭に入れておいてください。

実際のマーケットで見てみよう

それでは、実際のランキングで見ていきましょう。

3:27ころ

値上がり率ランキングを見ると、KTK(3035)にかなり加速が付いています。

このように、加速が付いている銘柄は、ポジションを取ると早い段階で利益の領域に変わりやすいです。板を見ても、上の板をどんどん取っています。

こちらは、プラコー(6347)のチャートです。

1分間の短い時間ですが、非常に加速が付いており出来高もかなりあります。

さすがに、一気に上昇したところではエントリーは難しいでしょうから、その後からエントリーを考えることになります。

東証1部については、どの銘柄も出来高が薄いですね。あまり売買が活発化していないようです。

そんな中でも、ジェイ・エスコム(3779)が上がっていますね。

売りが結構出ていますけど、行けそうな気がしますね。少し様子を見てみましょう。

やはり、かなり伸びてきました。結果論ですが、成行注文でやっていれば完全に利食いができていましたね。

このように、加速が付いている銘柄は、割合的に収益化しやすいです。

チャートを見て理解いただけたのではないでしょうか。

加速が付いていない銘柄はどうか

加速が付いていない銘柄の場合はどうでしょうか。

5:45ころ

普段から監視している三菱UFJ(8306)で見てみましょう。先ほどのJASDAQの銘柄に比べたら、動きがのんびりですよね。

株価が一気に上がっていく銘柄は順張りが良いのですが、東証1部の大型株のようにのんびりした値動きの銘柄は、比較的逆張りがおすすめです。

三菱UFJ銀行だったら、本日はギャップを開けて寄っていますので、なるべく上のところで売りから攻めていきます。

加速が付いている銘柄とそうでない銘柄は、そもそも戦術が違うということを覚えてください。

まとめ

実際に、リアルタイムのチャートの動きを見ていただきましたので、相場の動くスピードで戦術は変わるということを、ご理解いただけたのではないでしょうか。

相場に加速が付いている銘柄は順張りで攻める。当然、勝負も短くなります。

JASDAQに上場している小型株などが加速の付きやすい銘柄です。値上がり率ランキングなどでトレードをする銘柄を選びましょう。

反対に、東証1部の大型銘柄は、JASDAQ銘柄のような加速が付くことはあまりありません。

加速が付いていない、ゆったりとした銘柄は逆張りで攻めることが、デイトレードでは極めて有効に機能します。

単純な戦術ですが、覚えておくときっとみなさんのトレードに役立つはずです。

ぜひ実践していただき利益を上げていきましょう。