紫垣英昭
昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介
デイトレードをやっていると、常に高値・安値というのを時間経過と共に意識していかなければいけません。
高値をブレイクしている場合は上昇トレンド継続、対して、安値をブレイクしていくと下落トレンドが形成されているということになる訳ですが、実際、高値・安値を超えず逆方向に動くことってよくありますよね。
今回は、そういった「イレギュラーな部分をどうトレードに活かしていくか」について、お話していきたいと思います。
※この動画は過去に撮影した動画を再編集したものです。
- デイトレでの高値、安値の意識の仕方がわかる
- 高値、安値のブレイクアウト成功パターン、失敗パターンそれぞれの戦略の立て方がわかる
1日の高値・安値を意識する
今回は「1日の高値・安値を流れの中でどう捉えていくのか」ということですが、まずは、トレンドの定義を思い出してみて下さい。
チャートを元に、もう一度トレンドの定義を確認してみましょう。
下の画像は、東証1部のJUKI(6440)という銘柄の日足の値動きになります。
右上がりの部分の上値・下値が切り上がっているような状況が上昇トレンド、右下がりの部分が下落トレンドです。
ブレイクアウトの失敗パターン
ソニー(6758)の値動きも見てみましょう。こちらは5分足、ブレイクアウト失敗のパターンです。
午前中に形成した高値・安値というのは時間が経過すると決まります。
上の画像だと、丸印が午前中に形成された高値・安値です。赤線より下の部分は安値を割り込んだ部分。
下にブレイクすると判断する人が多いと思いますが、実際は下に下がったのは一瞬で、その後高値へと上昇していきました。
ソニーなので、おそらく売りの流れに合わせて空売りも入ってきているでしょう。安値に叩ききれなかった、いわゆるブレイクアウト失敗のパターンです。
こうした場合は、「失敗したな」と思った瞬間に買いを持っていかなければなりません。
単純に、午前中に形成した高値と安値、ここに注目していれば当然エントリーチャンスは生まれます。
下値をドンと叩いて、さらに下がっていくようであれば売りの戦略、下がるのは一瞬で、その後上がっていくようであれば買いの戦略を取るなど、流動的な対応をすることが大切です。
ブレイクアウトに失敗した他のパターンも見てみましょう。下の画像は、午前中で形成された高値・安値です。
一瞬ブレイクアウトしかけたのですが、結局失敗しています。
こちらは、朝方形成された高値・安値です。結構領域の幅は狭いパターンとなっています。
ブレイクアウトの成功パターン
続いて、ブレイクアウトの成功パターンを見てみましょう。
上の画像の丸印のところで高値・安値が形成されました。
ここの安値を一気にブレイクして、そのまま下に下がったということです。これは売りがうまくいっています。
こちらは、結構わかりやすいパターンです。
下がってきていた流れが少し戻るのですが、高値を超えていません。高値を超えていないということは上昇しないと判断できます。
再び安値を切ってきたところで売りの戦略を取ることができます。
こちらは、午前中と午後で流れが入れ替わったパターンです。
野村證券(8604)のパターンも見てみましょう。ブレイクして安値に下がった部分、トレードチャンスです。
ここは、逆張りがうまくいくところです。
ここは、安値を一気にブレイクしたので売りでとれるパターンです。
このように、1日の中でも高値・安値は形成されます。
午前中に高値・安値のラインをつけ、それを元に戦術を考えていくと新たなトレードチャンスが生まれるでしょう。
まとめ
デイトレードは、1日の高値・安値を意識することで生まれるチャンスが変わってきます。
常に、時間経過と共にその日の高値・安値の水準を意識するようにしましょう。
例えば、9時から9時10分の間に高値・安値が形成された場合、その動きをよく観察して9時11分からどう動いて行くのか見てくという感じです。
ぜひ、デイトレードの戦略に取り入れていただきたいと思います。
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