紫垣英昭
昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介
1日に何度も取引を行うデイトレード。トレード回数が頻繁なだけに、それだけリスクを負う機会も多くなってしまいます。
いかにして損失を減らすかというのは、様々な方が注目している部分ではないでしょうか。
そこで今回は、デイトレードのリスク回避に欠かせない「リスク許容度」についてお話したいと思います。
ぜひ、実際のトレードに役立ててみて下さい。
※この動画は過去に撮影した動画を再編集したものです。
なぜリスク許容度を決めるべきなのか
デイトレードは、1日に何回も売買を行います。
ポイントは、絶対に一発大儲けを狙う手法ではないということ。デイトレードは、長く継続させることに意味があると考えておきましょう。
時々、買った銘柄が跳ね上がり、ストップ高近辺までいく事がありますが、こういったケースは狙って取れるものではないですよね。
デイトレードでは、薄い利益をいかに積み重ねていくかが重要。長く続けないと全く意味のないトレードスタイルと言っても過言ではありません。
デイトレードでは、「1回の売買でどれだけリスクを許容するか」を事前に決めておかなくてはいけません。
よく、ノウハウ本などで「エントリーした価格から10%くらいマイナスになったら損切りをするべきだ」と書かれている事が多いですが、私は間違いだと思っております。
デイトレードで買値から10%下がるというのは、かなり損失幅が大きいです。
一般的に言う「10%になったら損切り」というのは、デイトレードでは対応できる話ではないと判断して良いでしょう。
株数でも同じです。仮に10%の場合、100株と1000株とでは損失額そのものが大きく違います。
買値を基準にするべきではありません。リスク許容度は、必ず元金を基準に考えるようにしましょう。
リスク許容度の決定方法
単純に計算すると、元金が100万円の場合、10%だったら10万円。リスク許容度が決まれば株数が決まってきます。
実際のチャートを元にお話していきましょう。
例えば、1日の5分足。動画の赤線の辺りで買ったとしましょう。
買値が945円、仮に100万円持っていたとします。
リスク許容度は2万円。つまり元金の2%ということです。
仮に1,000株の場合、2万円の損失額が許容できる範囲は下の赤線まで。
買いの場合、20円下回ったら損切りをするということになります。
1,000株ではなく500株だった場合は、40円下ということになります。
つまり、905円のあたりが絶対に損切りをしなければいけないという位置です。
このように、元金から起算して、そこからのリスク許容度を決めた場合、株数でストップ幅を調整する事が可能になります。
自信があって株数を多くするという場合は、当然、ストップまでの距離は短くなるという事です。
ここの計算がしっかりできていないと、結局、損失の額がどんどん増えていき、100万円儲けても150万円損するという結果になってしまいます。
「自分の許容範囲はどこまでなのか」しっかりと全体の資金からのリスク率を計算して、株数を調整するようにしましょう。
まとめ
株式投資は、当然、個々で投資金額も違いますし、技術的な部分も違います。
「どこで損切りするか」という部分も様々だと思うので、自身に適した形でしっかりと計算し、許容度を決めていくようにしましょう。
基本的には、デイトレードのリスク許容度を考える場合、常に元金、自分が持っている全ての資金から計算をしていけば、大きなリスクを回避する事ができます。
ぜひ、デイトレードの成功に役立ててみてください。
柴垣 英昭
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