米国株投資におすすめの証券会社6選!手数料やチャートソフトなどで徹底比較!

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紫垣英昭

昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介

「米国株投資を始めてみたいけど、どの証券会社を選べばいいんだろう?」と、お困りになっていませんか?

人生100年時代に備えて米国株投資をする人が増えてはいるものの、米国株投資はまだ一般的とまでは言えないため、証券会社での取り扱いもそこまで大きくはないということが実態です。

個人投資家が快適に米国株投資を行う上では、手数料や取扱銘柄数、チャートソフトやアプリ、NISAへの対応といったポイントを押さえて、証券会社を選ぶことが必要になってきます。

今回は、米国株投資におすすめの証券会社選びのポイントについて解説した上で、米国株投資を取り扱っている証券会社6社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券、DMM株、サクソバンク証券、PayPay証券)について徹底比較していきます。

この記事を読んで得られること
  • 米国株投資におすすめの証券会社選びのポイントについて分かる
  • 米国株投資を取り扱っている証券会社6社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券、DMM株、サクソバンク証券、PayPay証券)について比較できる
  • 証券会社を選択する時の参考になる

米国株投資におすすめの証券会社選びのポイント

米国株を取り扱っている証券会社はまだそれほど多くはありません。

主要ネット証券について見てみると、ネット証券大手3社のSBI証券、楽天証券、マネックス証券では米国株を取り扱っていますが、auカブコム証券や松井証券、SBIネオトレード証券(旧・ライブスター証券)などでは米国株の取り扱いがないことに注意が必要です。

米国株投資におすすめの証券会社選びのポイントとしては、次の4点が挙げられます。

(1)手数料(取引手数料・為替手数料)が安い。

(2)取扱銘柄数が多い。

(3)チャートソフトやアプリが充実している。

(4)NISAに対応している。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

手数料(取引手数料・為替手数料)が安い

手数料は、安ければ安いほど良いに越したことはありません。

米国株取引で発生する手数料には「取引手数料」と「為替手数料」の2つがあります。

「取引手数料」とは米国株の取引を行う際に発生する手数料のことで、大手ネット証券3社では「約定代金の0.495%(税込)」が基準です。

また、米国株投資をするには、日本円から米ドルに外貨両替をする必要があります。

外貨両替する際には「為替手数料」が発生し、大手ネット証券3社では「1ドルあたり25銭(0.25円)」が基準となっています。

取扱銘柄数が多い

日本株では、どの証券会社で口座開設しても全ての東証上場銘柄を取引可能ですが、米国株では証券会社ごとに取り扱っている銘柄が異なっています。

米国市場は、世界最大の証券取引所である「ニューヨーク証券取引所(NYSE)」と、GAFAMやテスラ、エヌビディアといったハイテク株が上場している「ナスダック(NASDAQ)」の2大市場となっています。

2021年時点の上場企業数は、ニューヨーク証券取引所が約1,900社、ナスダックが約3,300社となっており、合計で約5,200社です。

米国市場に上場しているETFを含めると、銘柄数はさらに増えます。

米国株の取扱銘柄数は、多ければ多いほど良いに越したことはありません。

ただ、どの証券会社でも米国株の主要銘柄はカバーされているため、米国株の取扱銘柄数が多いからといって、証券会社選びの決定的なポイントとはならないと言えます。

チャートソフトやアプリが充実している

いくら手数料が安く、取扱銘柄数が多かったとしても、証券会社の使い勝手が良くなければ、米国株投資を快適に続けることはできません。

各証券会社では、独自開発したチャートソフトやアプリが用意されています。

ただ、日本株投資やFXに比べると、まだ米国株投資のチャートソフトやアプリの精度は低いというのが現状です。

米国株の銘柄選びや銘柄分析においては、チャート分析は必須です。

チャートソフトが充実していない証券会社では、他サイトの米国株チャートを使い分けるなど工夫が必要になってきます。

また、米国株投資で短期投資を手掛ける場合には、逆指値注文やOCO注文といった注文機能が充実していることも重要なポイントになってきます。

NISAに対応している

年120万円の投資枠が最長5年間に渡って非課税となるNISA(少額投資非課税制度)に、米国株が対応している場合があります。

ここで、米国株の税金について押さえておきましょう。

米国株の値上がりで得た利益(キャピタルゲイン)については、日本株と同様に20.315%の税金が発生します。国内のみで課税され、申告分離課税の対象です。

米国株の配当金(インカムゲイン)は、現地の租税条約に基づいた税率(10%)で源泉徴収された上で、日本国内では20.315%で源泉徴収されます。二重課税となるため、外国税額控除の対象です。

なお、NISA口座を使っても、現地で10%源泉徴収される分はそのままであるため注意しておきましょう。NISAで非課税となるのは、あくまで国内で課税される20.315%分のみです。

米国株は日本株に比べて配当利回りが高く、さらに連続増配年数が大きい銘柄が多い傾向にあります。

高配当銘柄の配当金をさらに再投資する場合には、NISAで配当金が非課税となることは大きなメリットです。

SBI証券の米国株

※出典:SBI証券

取引手数料

約定代金の0.495%(0米ドル~22米ドル)

為替手数料

0.25円(1ドルあたり)

※0.04円(住信SBIネット銀行の外貨入出金サービス)

米国株・取扱銘柄数(米国株ETF含む)

4,857銘柄

チャートソフト・アプリ

アプリ「SBI証券米国株アプリ」

NISA対応

対応

※取扱銘柄数は2021年12月1日時点

SBI証券は、3大ネット証券の中では米国株の取扱銘柄数が最多となっています。

取引手数料は約定代金の0.495%、為替手数料は0.25円(1ドルあたり)とスタンダードですが、為替手数料は、住信SBIネット銀行の外貨入出金サービスを利用すれば片道0.04円まで安くなります。

また、米国株・米国株ETFを定期的に買い付けする「米国株式・ETF定期買付サービス」もあるため、長期・積立・分散投資をほったらかし投資で行うことも可能です。

米国株投資においては、最もスタンダードな証券会社と言えるでしょう。

楽天証券の米国株

出典:楽天証券

取引手数料

約定代金の0.495%(0米ドル~22米ドル)

為替手数料

0.25円(1ドルあたり)

米国株・取扱銘柄数(米国株ETF含む)

4,554銘柄

チャートソフト・アプリ

PC用ソフト「マーケットスピード」、アプリ「iSPEED」

NISA対応

対応

※取扱銘柄数は2021年12月1日時点

楽天証券は、取引手数料・為替手数料・米国株取扱数はネット証券大手3社のスタンダードとなっており、問題なく米国株投資を手掛けることができます。

日本株取引もできるPC用ソフト「マーケットスピード」が米国株に対応しているため、楽天証券で日本株取引をしていた場合には、そのまま米国株も手掛けやすい点もメリットです。

そして、楽天グループということもあり、超割コースなら、取引手数料の1%(大口優遇なら2%)が楽天ポイントでキャッシュバックされるのも魅力的です。

楽天ポイントでのキャッシュバックがあるため、ネット証券大手3社の中では実質的に取引手数料が最も安くなります。

マネックス証券の米国株

取引手数料

約定代金の0.495%(0米ドル~22米ドル)

為替手数料

0.25円(1ドルあたり)

※日本円⇒米ドルは無料

米国株・取扱銘柄数(米国株ETF含む)

4,567銘柄

チャートソフト・アプリ

PC用ソフト「トレードステーション」、スマホアプリ「トレードステーション米国株 スマートフォン」

NISA対応

対応

出典:マネックス証券

※取扱銘柄数は2021年12月1日時点

マネックス証券は米国株取引に力を入れており、SBI証券・楽天証券と同様に問題なく米国株投資をすることが可能です。

特に、為替手数料では、日本円⇒米ドルは無料となっている点で有利となっています。

マネックス証券の米国株がSBI証券・楽天証券と比べて優れているのは、注文方法が多彩である点です。

損切りを設定できる「逆指値注文」はもちろん、利食いと損切りが同時にできる「ツイン指値(OCO注文)」や「トレールストップ」注文にも対応しています。

チャートソフトも、PC用に「トレードステーション」、スマホアプリは「トレードステーション米国株 スマートフォン」が対応しています。

DMM株の米国株

出典:DMM株

取引手数料

一律0円

為替手数料

0.25円(1ドルあたり)

米国株・取扱銘柄数(米国株ETF含む)

1,378銘柄

チャートソフト・アプリ

PC用ソフト「DMM株 PRO+」「DMM株 プレミアチャート」、スマホアプリ「DMM株」など

NISA対応

対応

※取扱銘柄数は2021年12月1日時点

DMM株は、日本株取引では手数料最安値のネット証券として知られていますが、米国株取引においても手数料は一律0円と最安値となっています。

また、チャートソフト・アプリが充実している点もDMM株の強みです。

次世代高機能トレーディングツール「DMM株 PRO+」、Webブラウザ取引ツール「DMM株 STANDARD」、PC用高機能チャートツール「DMM株 プレミアチャート」、スマホアプリ「DMM株」などが揃っています。

米国株の取扱数は他社に比べて見劣りするものの、手数料とチャートソフトにおいては最もおすすめの証券会社と言えるでしょう。

サクソバンク証券の米国株

出典:サクソバンク証券

取引手数料

約定代金の0.200%(5米ドル~15米ドル)

為替手数料

0.25円(1ドルあたり)

米国株・取扱銘柄数(米国株ETF含む)

6,000銘柄以上

チャートソフト・アプリ

PC用ソフト「SaxoTraderGO」

NISA対応

未対応

サクソバンク証券は、外国株とCFDに強みを持つ証券会社です。

米国株の取扱銘柄数は、ニューヨーク証券取引所とナスダックはもちろん、成長株が主力のNYSEアメリカン市場も取り扱っており、大型株・中型株・小型株からIPO直後の銘柄を含む6,000銘柄超が取引可能となっています。

取引手数料も、ネット証券大手3社(SBI証券・楽天証券・マネックス証券)よりも低い水準です。

高機能ツール「SaxoTraderGO」も用意されており、逆指値やOCO、IFD-OCOを含む7種類の注文が可能となっています。

また、高配当銘柄や連続増配銘柄が多い米国株で長期投資を通じた資産形成に最適な「配当金再投資(DRIP)サービス」を提供していることも強みです。

ただ、NISAには未対応な点がデメリットです。

PayPay証券の米国株

出典:PayPay証券

取引手数料

約定代金の0.5%~0.7%

為替手数料

0.35円(1ドルあたり)

米国株・取扱銘柄数(米国株ETF含む)

168銘柄

チャートソフト・アプリ

アプリ「PayPay証券アプリ」

NISA対応

未対応

※取扱銘柄数は2021年12月1日時点

PayPay証券は、スマホ世代の投資初心者向けの新興ネット証券です。

米国株の取扱銘柄数は他社に比べると非常に少なくなっていますが、GAFAMやテスラ、ネットフリックスといった主要銘柄はしっかりとカバーしています。

ただ、手数料は取引手数料・為替手数料ともに割高となっており、チャートソフト・アプリも取引アプリのみで、PC用ソフトはありません。

投資初心者の若者世代が米国株投資デビューをしたい場合にはおすすめですが、本格的に米国株投資をするには厳しいと言わざるを得ません。

米国株投資ができる証券会社の比較一覧表

証券会社

特徴

取引手数料

為替手数料

取扱銘柄数

チャートソフト

NISA

SBI証券

最もスタンダード

約定代金の0.495%

0.04円~0.25円

4,857銘柄

楽天証券

楽天ポイントが貯まる

約定代金の0.495%

0.25円

4,554銘柄

マネックス証券

注文方法が充実

約定代金の0.495%

0.25円(片道無料)

4,567銘柄

DMM株

取引手数料無料

一律0円

0.25円

1,378銘柄

サクソバンク証券

注文方法が充実

約定代金の0.200%

0.25円

6,000銘柄以上

×

PayPay証券

投資デビュー向け

約定代金の0.5%~0.7%

0.35円

168銘柄

×

※取扱銘柄数は2021年12月1日時点

まとめ

今回は、米国株投資におすすめの証券会社選びのポイントについて解説した上で、米国株投資を取り扱っている証券会社6社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券、DMM株、サクソバンク証券、PayPay証券)について徹底比較してきました。

基本的には、ネット証券大手3社のSBI証券、楽天証券、マネックス証券から選ぶことがおすすめとなります。

SBI証券は最もスタンダードとなっており、楽天証券では取引手数料で楽天ポイントが貯まり、マネックス証券は注文方法が充実しています。

中級者から上級者の方向けには、手数料最安値のDMM株、取扱銘柄数が最も多く注文方法が充実しているサクソバンク証券がおすすめです。

若者世代を中心に少額資金で米国株投資デビューしたい場合には、PayPay証券から米国株投資を始めてみるのもありでしょう。

紫垣 英昭