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紫垣英昭
昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介
今回は、短期売買におけるテクニカル分析の重要ポイントについてお話致します。
テクニカル分析と言うと、「移動平均線やストキャスティクスじゃないの?」と思うかもしれませんが、おそらく皆さんが聞いた事のない内容をお伝えします。
テクニカル分析で実際にプロが着目しているポイントですので、必ず皆さんの役に立つはずです。
ぜひ、最後までお読みください。
※この動画は過去に撮影した動画を再編集したものです。
- むき出しの「高値」「安値」の意味が分かる
- トレンドが変わるポイントを把握できる
- 市場参加者の意思が読めるようになる
テクニカル分析での重要ポイント
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テクニカル分析の重要なポイントは3点あります。
- むき出しの「高値」「安値」の意味
- 「値幅収縮」を狙う
- 市場参加者の「意思」を見抜く
これらについて、順番にお話を進めていきます。
今回のお話はかなりシンプルです。一番分かりやすくて確実なテクニカル分析は、ローソク足だけで判断することです。
例えば、移動平均線のパラメーターをこれとこれを使って、ストキャスティクスを使って、合致したところを探して・・など、よく書籍で論じられていますが、それはその場限りです。
ほとんど意味がありません。
むき出しの「高値」「安値」の意味
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むき出しの「高値」「安値」の意味というのは、以前お話をしたレンジブレイクアウトやTDトラップの事です。
日本カーバイド工業(4064)のチャートを例に解説致します。
日本カーバイド工業がトレンドモードに移行したのが2012年7月の半ばです。ここで一気にレンジモードからトレンドモードに移行しました。
このトレンドモードに移行する前の、むき出しの「高値」「安値」は下の画像の赤丸の辺りです。
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これらのむき出しの「高値」「安値」を大きくブレイクすれば、その方向に動きやすいという事です。
日本カーバイド工業もむき出しの高値をブレイクした後、下の画像のようにトレンドを形成しています。
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これは、日本カーバイド工業だけではありません。他の銘柄でも同様の動きになっています。
皆さんが使っているチャートソフトで確認してみて下さい。
むき出しの「高値」「安値」のブレイクは、需給が一気に逆転したという事です。
そのため、一気に株価がその方向に向けて動きます。
値幅の収縮を狙う
テクニカル分析の重要ポイント2つ目の「値幅収縮」について、解説していきます。
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ポイント1つ目で説明したむき出しの「高値」「安値」ブレイクの前兆は、どのように把握すればいいのでしょうか。
ブレイクの鍵は、値幅の収縮にあります。
値幅収縮とは、下の画像のように同じような長さのローソク足が続いた後、どんどん短くなっていく事があります。これが「値幅の収縮」です。
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この値幅の収縮を見付けたら、次はどちらかに大きく動くと思って下さい。
ローソク足が短くなるのは、力関係が綱引き状態になっているからです。「売り方」「買い方」が拮抗している状態ですね。
だから、上に行くかもしれませんし、下に行くかもしれません。
値幅が動かないのは、狭いレンジの中で売り買いの攻防が起きているという事です。
日本カーバイド工業の事例
先ほどの日本カーバイド工業の場合も、同じような長さで動いていたのが、下の画像の右端の赤丸のように急騰の直前で明らかにギュっと縮まっています。
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これは本当によく起きます。必ず着目してほしいポイントです。
下の画像の赤丸の部分でもローソク足が短くなっています。そしてこの後、同じように上昇トレンドに変化しました。
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他の銘柄の事例
他の銘柄でも見てみましょう。
下の画像は、iPS細胞で大きく上がったナノキャリア(4571)のチャートです。
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日本カーバイド工業と同じように、トレンドが変わる前に赤丸のところでローソク足が短くなっています。
こちらもナノキャリアのチャートです。
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先ほどと同じように、ローソク足が短くなった後に大きなエネルギーで一気に上に持ってかれています。
このように、ローソク足が短くなりエネルギーが溜まった直後は、どちらに動くか分かりませんが大きく動きます。
短期売買において「値幅収縮」はとても重要です。
値幅の収縮を見付けたら、売買候補銘柄にストックしておきましょう。
そして、動きが出たら素早く波に乗れるように、果敢に攻めなければいけません。
もし、会社勤めをしていてリアルタイムの相場が見られないのであれば、翌日の寄り付きに乗りましょう。
市場参加者の意思を見抜く
最後に「市場参加者の意思を見抜く」について解説します。
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日本カーバイド工業の事例
下の画像のチャートでは、「相場は上にいくよ」と明らかに市場参加者の意思が現れています。
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こちらも同じです。押し目もほとんどありませんね。TDトラップだったら何回も取れるということです。
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下落の場合も同じです。明らかにこの相場は終焉になっています。
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このような大陰線をつけるのは、大口投資家が抜ていっているからです。
他の銘柄の事例
こちらは、バイオ関連で高騰したコスモ・バイオ(3386)のチャートです。
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このような動きでは、市場参加者の意思は明らかですよね。大陰線は「大口が完全に利食いを入れてきた」という事です。
このように、ローソク足から市場参加者の意思を感じて下さい。
移動平均線とかボリンジャーバンドとか一目均衡表とかは、もう関係ありません。明らかに大口投資家が抜けている動きです。
当然、大口投資家が抜けた後に買ってくる投資家はほとんどいませんから、徐々に値下がりしていくだけです。
まとめ
今回解説した3点が、短期売買でのテクニカル分析をする際のポイントです。
まず、むき出しの「高値」「安値」の意味を理解して下さい。
そして、値幅の収縮を発見したら身構えてください。値幅の収縮の後に大きな動きになったら、果敢に攻めましょう。
この時に、「銘柄がどちらの方向に向かうのか」市場参加者の明確な意思を感じ取って下さい。
これらの事を見抜いて取引をしましょう。
当然ですが、確実に利益をもぎ取ることが重要です。
値動きの上から下まで全部取ろうと思う必要はありません。一部だけでも値幅を取れればいいので、そこに集中して下さい。
今回は、皆さんがあまり聞いたことがないテクニカル分析を解説しましたが、プロは皆この手法です。
もちろん、移動平均線や一目均衡表も見ていますが、それだけで売買している訳ではありません。
プロというのは、チャートの裏側を見て判断しています。そのプロのやり方をお伝えしました。
今回お伝えした点に着目してチャートを眺めてみて下さい。過去の色々なパターンを見れば、より深く理解できると思います。
![](https://openeducation.co.jp/media/wp-content/uploads/2021/09/short-term-trading-10-360x230.png)
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