株式投資で勝つにはメンタル強化が最重要!効率の良い鍛え方 4 つを紹介

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紫垣英昭

昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介

株式投資とメンタルには深い関係があります。

「いくら投資の勉強をしても利益に結び付かない……」とお悩みの方は、メンタル面の見直しが必要かもしれません。

投資で厄介なのは「欲望」と「恐怖」の2つの感情です。

投資で勝つためには、メンタルコントロールをして、いつでも冷静に取引できる状態を作っておくのが重要です。

そこで今回の記事では、「投資にメンタル強化が重要な理由」や「メンタルの鍛え方」にいついて解説していきます。

この記事を読んで得られること
  • 投資にメンタル強化が重要な理由がわかる
  • メンタルの鍛え方がわかる
  • 冷静にトレードをするための思考を学べる

株式投資にメンタル強化が必要な理由

投資で最も重要なのは、メンタルのコントロールです。

有効な投資手法を学んだとしても、その手法を使いこなすメンタル面が整っていなければ、継続的に利益を出し続けるのは難しいでしょう。

投資で勝ち続けるには、突然の株価暴落などの不測の事態が起こった際にも感情に流されずに、冷静に素早く売買ルールに順守した取引をすることが求められます。

しかし、ほとんどの個人投資家は予想と違う値動きになった場合、「感情に振り回された」売買をしています。

適切な損切りができずに損失が膨らんでしまったり、「すぐに損失を取り戻さないと」と焦り、短期的な値動きに右往左往して、さらに大きな損失を招いたりしてしまうこともあるでしょう。

メンタルは投資の土台となります。

ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析など、あらゆる投資手法を支えるのは「メンタル」です。

したがって、投資手法を覚えると同時に、メンタルコントロールの技術もしっかりと身にいつけておく必要があるのです。

株式投資に必要なのは損切りができるメンタル

株式投資をする上で、メンタルコントロールが重要だとお伝えしてきましたが、では投資に必要なメンタルとはどういったものでしょうか。

投資に必要なメンタルは下記の3つです。

  • どんな状況でも冷静に売買の判断ができるメンタル
  • 含み益の決済ポイントを適切に判断できるメンタル
  • 予想に反した値動きになった場合に損切りできるメンタル

どんな状況でも冷静に売買の判断ができるメンタル

これは、株価が暴落した時や予想外の値動きをしたときに役立ちます。

多くの人は株価が大きく動くと、狼狽して損失を広げる売買をしてしまいます。

大きな値動きがあった時こそ、慌てずに出来高やチャートの動きなど各指標から冷静に判断することが大切です。

含み益の決済ポイントを適切に判断できるメンタル

これができるようになると、トータルでの勝率が上がります。

含み益が出ると早めの利確をしたくなるのが人間のサガです。

まだ充分に利益が伸びる余地があると予想できるのなら、適切なポイントまで利益を伸ばしましょう。

予想に反した値動きになった場合に損切りできるメンタル

中でも一番重要なのが、この「損切りできるメンタル」です。

投資において「損切りが最も重要」ということは、一度は聞いたことがあるはず。

一方で、適切に損切りができる個人投資家はほんの一握りというのも事実です。

損切りを躊躇して「もう少ししたら株価が元に戻るはず」とずるずる持ち続けて、結局は大損になってしまったという経験がある方も多いでしょう。

プロの投資家でも勝率は50%を少し超えるくらいです。

なぜ、勝率が50%を超えるくらいで利益を出せるのかというと、素早い損切りの判断で損失額を少なくしているからです。

プロの投資家は、当初の予想と違う値動きをした場合には、ただちに損切りをします。

上手な損切りで「損小利大」を貫けば、例え3勝7敗であったとしても、利益が出せるようになります。

投資に必要なメンタルの鍛え方【4選】

ここでは、投資に最も重要である「メンタル」の鍛え方について解説します。

メンタルを鍛えるには、人間心理を理解し、それに則ってルール設定をすることが必要です。

ここでは、効率よくメンタルを鍛える方法を4つご紹介します。

  1. 自分だけの売買ルールを作り順守する
  2. 人間の心理を知る
  3. 資金管理をおこなう
  4. まずは少額から始める

1.自分だけの売買ルールを作り順守する

メンタルをコントロールするには、株価の動きに一喜一憂しないように「マイルール」を作り順守する必要があります。

代表的なルールには下記のものがあります。

エントリールールと決済ルール

どのような状況になったらエントリーするのか、どのような状況になったら決済するのかをあらかじめ決めておきましょう。

トレードをしていると「何となく良さそうな値動きだから」と根拠なく売買してしまうことがあります。

こうした“感情でのトレード”は高確率で失敗するので、根拠のあるエントリールールと決済ルールを設定して取引しましょう。

ロスカットルール

ロスカットルールとは、先ほど解説した損切りのルールです。

「含み損が〇%になったら損切りをする」「予想の値動きから〇円ずれたら損切りする」など、明確に設定することが重要です。

ロスカットルールは、マイルールの中でも一番大切なルールです。

絶対に守らないといけないルールなので、条件に当てはまったら機械的に損切りをするようにしましょう。

最初は躊躇してなかなかルールを守れないかもしれませんが、自分の意志に逆らい損切りをしていくことで、上手に損切りができるようになります。

それがメンタル強化に繋がります。

連勝したときこそ冷静になる

トレードをしていると5連勝・10連勝など勝ちが続くことがあります。

連勝すると気持ちが大きくなって、ついついルールを無視してしまうのが人間の性です。

したがって、勝ちが続いたときこそ、一旦冷静になるために勇気を出して相場を休むことも大切です。

2.人間の心理を知る

人間の心理と経済の関係を研究する「行動経済学」という学問があります。

相場は人間の心理が動かしているので、値動きを分析するのに行動経済学はとても有効です。

その中でも「プロスペクト理論」は投資をするのであれば、ぜひ覚えておきましょう。

プロスペクト理論を理解していれば、「この行動は間違っている」と気づけるようになります。

その上で、今回お伝えしているメンタルを鍛える方法を実践していけば、人間にプログラムされた行動に逆らうことができるでしょう。

プロスペクト理論とは

  • 人間は確実な利益を好む
  • 人間は利益を受ける際はリスクを避けようとし、損失を被る際はリスクを取ろうとする
  • 人間は表現の仕方により選択を変える傾向にある

それぞれ簡単に解説をしていきます。

人間は確実な利益を好む

含み益が出ていると値下がりしないか心配になり、早い段階で利益確定をしてしまう傾向にあります。

そのため、もっと利益を伸ばせるはずだったのに、少ない利益しか手にできないことになります。

人間は利益を受ける際はリスクを避けようとし、損失を被る際はリスクを取ろうとする

リスクを避けようとするので早めの利益確定、リスクを取ろうとするのは遅い損切りです。

人間はこのように行動するようにプログラムされています。

投資には不利なプログラムがされていることを知り、心理に抵抗しなくては勝つことはできません。

人間は表現の仕方により選択を変える傾向にある

人は、何かを決断する際に『損だけは避けたい』という心理が優位に働きます。

仮に、

A:無条件で、80万円もらえる。

B:100万円もらえるが、15%の確率で1円ももらえない。

という二つの条件があった場合、ほとんどの人は「A」を選択するはずです。

しかし実際の期待値でいうと、「B」は85万円になるので、「B」を選択する方が正しいということになります。

よく通販番組などで、「今、買わないと損します!」という表現がありますが、あれが正にこれに当たるのではないでしょうか。

3.資金管理をおこなう

手持ち資金の使い方はメンタルに大きな影響を与えます。

例えば、手持ち資金のすべてを同じ銘柄に投資したら、その銘柄の値動きが一日中気になり、暴落したら損切りが難しくなります。

そのため、分散投資をおこなうなど、リスクを分散することが大切です。

複数の銘柄を保有していれば、含み損が出ても金額が小さくなるので損切りに対する抵抗も小さくなります。

また、同じセクターに何銘柄も投資してしまうと分散投資の意味を持たないので、異なるセクターの銘柄を保有しておくのが良いでしょう。

なお、値動きが激しい時期やレンジ相場の時期には、ポジションを持たないのも資金管理の一つです。

値動きが読みにくくリスクが高い場面では、相場を休むことも視野に入れて資金管理をしましょう。

4.まずは少額から始める

手持ち資金に余裕があるといっても、いきなり1000万円や2000万円など高額な投資は失敗の元です。

東証一部の銘柄でも、一日で5%変動することはよくあります。

つまり、1000万円の資金を投じていた場合は、一日で50万円もの損失が出る場合があります。

日常的に数十万円の変動を経験している投資家ならいいですが、初心者では狼狽してしまい冷静な判断はできなくなるでしょう。

資金100万円以下でも購入できる株は多いので、まずは少ない金額から投資をスタートしましょう。

そうすれば、冷静なメンタルを保てるはずです。

まとめ

投資とメンタルには密接な関係があります。これまで投資をしてきたけど、思うように利益を出せていない方は、メンタルコントロールについて学んでみましょう。

人間の心理を知りメンタルを強化して、トレーニングを積んでいけばどのような常態でもルールに則り冷静にトレードができるようになります。

今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。

紫垣 英昭

この記事をかいた人

投資家 / オープンエデュケーション株式会社代表取締役。1964年大阪生まれ。甲子園出場経験者。大学卒業後、証券会社に勤務し、事業法人、金融法人営業、自己売買部門を担当。証券会社退職後、株式投資をはじめ、 日経225先物、FX等の売買指導を行い、個人投資家から絶大なる信頼を得ている。証券会社時代に培ったスキルを投資初心者でも理解できるよう売買指導を行い、今では3000人以上の受講生を抱え、「真に自立できる個人投資家」を輩出するために積極的に活動している。著書に『初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法』(幻冬舎)『億を稼ぐ投資法則』(ユウメディア)『少額資金で儲ける株ゴー ルデンルール』(ユウメディア)がある。