紫垣英昭
昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介
今やパソコンや、スマートフォン、タブレット端末で、株式、FX取引をするのは当たり前の時代となりました。
各証券会社からは、さまざまなチャートソフトや、アプリが提供されています。
ここでは、株式投資初心者が取引を円滑に行うための取引端末、インターネット環境の構築法について解説していきたいと思います。
あなたにとって最適な取引環境を整え、投資スタイルを見つけていただきたいと思います。
- 株式投資初心者が取引を円滑に行うための取引端末がわかる
- インターネット環境の構築法わかる
- 最適な取引環境の整え方がわかる
インターネット取引の手数料は、従来の10分の1以下になった
2000年以降、インターネットのインフラの普及と同時に、パソコンの性能が格段に上がったことで、証券会社や金融機関でしか見ることができなかった情報が、一般の個人投資家にも大量に入手できる環境になりました。
今まで、証券会社の店頭で株価情報を見ていた投資家は、自宅のパソコンで見ることができるようになり、株価の板情報や株価チャートもリアルタイムで表示され、プロとアマの情報格差は一気に解消されました。
そして何より証券会社に支払う手数料が、格段に安くなりました。
今までは、顧客の注文は証券会社の営業マンが電話で取り次いでいましたが(今もまだ行われているが)その場合、約定代金(株の買い付け代金)の1%前後の手数料が取られていたのです。
金額にすると、100万円の約定代金の場合、手数料だけで1万円ほどかかっていたのですが、インターネットの取引の場合、証券会社の若干の違いはあるものの、電話で取り次いでいたときの10分の1以下にまで、手数料が下がったのです。
このことは当時としては革命的な出来事で、それが今に続いています。
このように手数料が一気に下がることで、現在ではインターネットで株式取引の注文を執行するケースが大半を占めるようになったのです。
以下は「価格.COM」のホームページですが、見てお分かりのように、100万円の約定代金の場合の取引手数料は、367円~1069円となっています。
私が現役の証券マンだったころから考えれば、時代は本当に変わりました。
株式投資初心者は、取引コストはできる限り安いに越したことはありません。
以下、証券会社を選ぶ参考にしてください。
今ではインターネットで証券会社の手数料を比較できるサイトが多数あります。
株の取引画面の端末は、何を使うのか?
インターネットが普及し、パソコンでの取引が主流になっていますが、最近ではスマートフォン、タブレット端末でも取引する人が増えている現在では、各証券会社がたくさんのアプリを提供しています。
ただ、スマートフォンや、タブレット端末は画面が小さいため、閲覧できる情報量は限られます。
したがって、機動的な売買にはあまり適さないかもしれません。
よって、ご自身の希望する「投資スタイル」によって、取引端末を選ぶ必要があります。
株の売買スタイルと取引端末の関係
・デイトレードなど機動的な売買をする=パソコン
・比較的ゆったりした売買=パソコン、スマートフォン、タブレット端末
というのが一般的な考え方になると思います。
デイトレードなどの超短期売買の場合は、一度に多くの情報を見る必要が生じてしまうため、どうしてもスマートフォンやタブレット端末では一度に見れる情報量が限られ、画面の切り替えなど、やりにくい面がでてきます。
したがってその場合、パソコン使用が有利でしょう。
それほど頻繁に売買しない場合は、スマートフォンや、タブレット端末で十分対応できると思います。
なによりスマートフォンやタブレット端末は、パソコンと違ってかさばらず、持ち運びがとても楽で、インターネットの接続も容易です。
とくにお勤めの方にとって、場所を問わず取引が可能になります。
よって、あなたの投資スタイルに合った取引端末を使っていただきたいと思います。
パソコンで取引する場合、モニターは何台必要なのか!?
私の受講生から良く受ける質問があります。
それは、「モニターは何台必要ですか?」という内容です。
特に「何台が良い」ということはありませんが、あなたの取引スタイルによって、モニターを揃えればよいだけです。
モニターの数を多くする理由は、たった一つです。
それは、「切り替えすることなく、同時に多くの情報を見るため」です。
切り替えが苦にならない人や、数日~数ヶ月単位の売買をする人であれば、モニターは1台でOKだと思います。
ちなみに私は、株式、為替、日経先物など複数の取引を同時に行うため、より多くの情報を一度に得るためにモニターは12台揃えています。
初心者の方は、多数のモニターを揃える必要はありません。
あなたの投資スタイルでもっとも楽だと思えるモニターの数を揃えれば問題はありません。
インターネットの環境を整える
インターネットの環境は、ネット証券で取引する場合は必須です。
スマートフォンや、タブレット端末で取引をする場合は、電話回線がつながればOKですが、パソコンで取引する場合は、できるだけ容量の大きい「光回線」を使うことをおすすめします。
住んでいる場所や、経済的な面から「ADSL回線」を使っている方もいらっしゃるかもしれませんが、現在のパソコンはブロードバンド回線を前提にしていることが多く、証券取引所は、売買システムを高速化しており、できるだけその環境にできるだけ合わせた方が、トラブルを避けることにもつながるでしょう。
よって、トラブル無く使っていただくには「光回線」を使うほうが確実かと思います。
光回線を提供している事業者は、NTT、KDDI,ソフトバンクなど電話事業者や、東京電力、関西電力など、大手電力事業者も提供しています。
また、地元のCATV事業者も提供しているので、一度確認していただくことをおすすめします。
セキュリティ、インターネットバンキング等
ここからは、インターネット取引を行う上で、必要な環境についてお伝えします。
セキュリティソフトは必須
パソコンを使用する場合は、当然、セキュリティソフトは必須になります。
「ウィルスバスター」、「ノートン」、「ZERO」などさまざまなセキュリティソフトがあります。
どれも効果に大差があるとは思えませんので、価格面などご自身で考慮して使ってください。
ちなみに私は「ウィルスバスター」を使っています。
インターネットバンキングが便利
インターネットで株の取引をするならやはり、インターネットバンキングの口座を持っておくと便利です。
今では、メガバンク、地方銀行など大抵、インターネットバンク口座を開設できます。
私の感覚だと、メガバンク、地方銀行のネット口座よりも、インターネット銀行専業の方がコスト、使い勝手の面から有利だと思います。
私も「楽天銀行」をよく利用していますが、コストも安く、操作面も使いやすいので重宝しています。
パスワードの管理
取引する証券会社、ネット銀行が増えてくれば、面倒になるのが、口座のID,パスワードの管理です。
やはり金融機関なので、ID,パスワードは極めて重要な情報になります。
いちいち入力するのは面倒なので、ブラウザ上で「保存」をするのが普通だと思います。
あなたしか使わないパソコンならそれでも問題ないかとは思いますが、念には念を入れたいところ。
そこで私のパスワード管理方法をお伝えしたいと思います。
といっても、極めて“アナログ”です。
私は、各証券会社、銀行のID,パスワードはすべて“紙に印刷”して、金庫に保管しています。
なぜ紙に印刷するかというと、インターネットの環境から遮断することで、外部流出を防げるからです。
万一、パソコンがウィルスに感染してしまったら、すべてのID、パスワードを変更しなければなりません。
これは極めてストレスになる作業ですし、取引が一時的にできなくなる可能性があります。
よって、ID,パスワードの管理は、慎重すぎるくらいがちょうど良いと思います。
証券会社の取引画面を事前に触っておく
証券会社に口座が解説できた段階で、その証券会社の「取引画面」にログインすることが可能になります。
証券会社に売買代金を振り込めば、即座に株の取引ができるようになります。
ただ実際に株の取引をする前に、その証券会社の「取引画面」にログインし、取引操作に慣れていただくため、シミュレーションをしておくようにしてください。
お金が入っていない段階では、実際に売買はできませんが、注文執行の直前までは進むことができます。
特に株初心者であれば、実際に価格が変動している株価を前に、いざ注文を出そうと思ったときに、注文執行に手間取っていては、焦りから想定していない価格で約定することも考えられます。
したがって、最低限の注文執行の手順は慣れておくことが大切です。
各証券会社では、「操作マニュアル」が用意されていますし、それでも分からなければ、コールセンターに電話をすれば丁寧に教えてくれます。
まとめ
今回は、株取引初心者がインターネットで取引をする際の、取引端末、ネット環境などの準備について解説いたしました。
このようにひとつずつ考えてみれば、意外と「準備」することが、いろいろあることに気付かれたことでしょう。
「段取り8割」ということわざがあるように、「取引前の準備」は怠らないようにしてください。
準備がしっかり整っていれば、取引自体もスムーズに行くはずです。
紫垣 英昭
この記事が気に入ったら
いいねしよう!
最新記事をお届けします。