紫垣英昭
昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介
毎日、ニュースで報道される「日経平均株価」という単語は、誰もが知る日本の株式市場を代表する株価指数です。
米国であれば、「NYダウ平均」というというのがありますね。
厳密には違いはあるものの、イメージとしては、日経平均株価=NYダウ平均、東証TOPIX=S&P500指数という感じになると思います。
「日経平均株価」はある意味、経済のバローメータ的な使われ方をされており、「日経平均株価が上がる」と景気が良くなってきたように感じられ、下がると、景気が悪くなったような感じになるのが一般的なようです。
では、そもそも「日経平均株価」とは?と聞かれて、答えられる人はほとんどいません。
ということで、まずは「日経平均株価」とはいったい何者なのか?ということについてお伝えしたいと思います。
- 日経平均株価と日経225先物取引について知ることができる
- 日経225先物を取引できる時間帯やレバレッジなどについて学べる
- プロ投資家が実際に取引で使っている日経225先物のチャートの見方を伝授!
『日経平均株価』は、日本経済新聞が所有!?
繰り返しになりますが、「日経平均株価」とは、日本の株式市場の代表的な株価指数のひとつです。
単に「日経平均」と呼ばれたり、「日経225(ニッケイ、ニーニーゴ」)、または業界人などであれば、「225(ニーニーゴ)」などと呼ばれます。
現在、日本の市場で株式を公開している企業数は、約3400社、東証1部に上場しているのは約1950社に上ります。
「日経225」と言われているだけあって、「日経平均株価」は、東証一部に上場する約1950社の株式のうちの、日本を代表する銘柄、取引が活発な流動性の高い を対象にしています。
意外と知られていないんですが、「日経平均株価」の 知的財産は日本経済新聞社が所有しているのです。
なので「日経平均株価」という名前になっているんですね。
世界的にも「Nikkei」は、知名度の高い株価指数です。
しかし民間企業が知的財産を保有しているため、NHKの報道はでは一民間企業の宣伝にあたるとされ、「日経平均株価」ではなく東証TOPIXで報道がなされます。
日経平均株価の計算方法は、基本的には平均値であるものの、株式分割による株価修正や配当による権利落ちなど、通常の需給によらない株価変動があるので、単純平均ではなく、「除数」というものを用いて、15秒ごとに算出されます。
ただし225銘柄の中でも、それぞれ株価が200円~3万円程度と非常に幅があります。
ファーストリテイリング、ファナックなどは日経平均株価に対する「寄与度」(影響度)が大きく、これらの銘柄の動きが日経平均株価に過度に影響されることが起こります。
したがって、これらの銘柄を意図的に動かすことで、日経平均株価が大きく動くことになるためしばしば問題視されることがあります。
いずれにせよ「日経平均株価」は、全世界的に注目される株価指数の代表格であることに違いはありません。
具体的に「日経平均株価」に組み入れられている225銘柄は、こちらをクリックしてください。
個人投資家が日経平均株価を売買するには?
「日経平均株価」のことを一通り説明させていただきました。
「日経平均株価」が日本経済新聞が知的所有権を保有しているとか、ファーストリテイリング、ファナックなど、一部の銘柄が日経平均株価の動きにかなりの影響があるなど、意外と知らない方が多いようです。
ただですね、日経平均株価の中身を知っているからと言って、投資で儲かるわけではありませんし、また知らないかと言って、儲からないわけではありません。
大事なのは「日経平均株価」という株価指数を使って、いかに利益を上げるかということだと思います。
しかし一般の個人投資家が、225銘柄をいっぺんに取引することは現実的に不可能です。
そこで、一般個人投資家が日経平均株価を売買する場合は・・・
を使うことになります。
今回は、「日経225先物」について、実際に私が使っているチャート画面や、売買動画を使って説明したいと思います。
日経225先物取引とは
『日経225先物』は、日経平均株価を原資産として、大阪証券取引所で売買されています。
基本的には、日経平均株価という「現物指数」に、金利、配当分が加わりますので、通常であれば、日経平均株価より多少、高い価格で取引されます。
これを「順ザヤ」といいます。
しかし先々の相場が下落基調が強まると、先物市場に対して売り圧力が強まることから、時に現物指数より安い価格で売買されることがあります。
これを「逆ザヤ」といいます。
日経225先物の取引時間
日経225先物の取引時間は、08:45~15:10、16:30~翌5:25まで取引されています。
08:45~15:10までは、日本株の取引時間で、日経平均株価も動いているので、基本的には日経平均株価と同じような動きになります。
16:30~翌5:25までは、日経平均株価は動いていないため、先物独自の動きになります。
また、大阪証券取引所とは別に、米国のシカゴ・マーカンタイル取引所でも、日経225先物が取引されており、「シカゴ日経先物」と呼ばれます。
いずれも機関投資家、プロ投資家メインの市場ですが、翌日の日本株の動向に影響を及ぼすことも多く、シカゴ日経先物の動きを見て、翌日の売買を考えることも多く、重要な指標といえるでしょう。
日経225先物の取引限月
先物市場は「限月取引」で、3月物、6月物、9月物、12月物の売買が行われます。
「日経225mini」と呼ばれる小口取引は、毎月限月がありますが、やはりメインの取引になるのは、3月物、6月物、9月物、12月物になります。
その中で、もっとも売買が活発なのは「期近物」の取引です。
先物は、3月、6月、9月、12月の第二金曜日で清算(SQ)されますので、仮に今が4月19日であれば、「6月物」が一番売買が活発になります。
6月の第二金曜日からは、9月物にメインの取引がシフトされます。
レバレッジ
日経225先物取引は、証拠金取引で、すべては「差金決済」で取引が行われます。
「差金決済」とは、ポジションを清算したときに、損益が確定され、決済されます。
FX取引も証拠金取引なので差金決済です。
日経225先物は、SPAN証拠金システムが採用されているので、値動きの変動幅によって、レバレッジ率が変化します。
通常、17倍から20倍くらいのレバレッジがかけられます。
当然ですが、レバレッジをかけた取引は、儲けも大きくなりますが、損失も拡大する可能性があるため、リスク管理には細心の注意が必要です。
日経225先物のチャートの見方
ではこれから、日経平均先物を売買する上において、私が売買している際の、日経225先物のチャート設定についてお伝えしたいと思います。
基本的な「株価チャート分析」は別の機会にまたブログでお伝えしたいと思います。
私は日経225先物を売買するときにはチャート画面を“マルチ・タイム・フレーム”の設定でやっています。
基本的に、日経225先物では、デイトレード、または数日には決済する短期トレードをメインの取引手法にしているため、日足を含め、「20分足」と「5分足」を同時に見るようにしています。
理由は、細かい動きに対応するためです。下のチャート図をご覧ください。
左は「日足」、右が、その日の「5分足」です。
「日足」は、1日の動きを1本のローソク足で表しますが、「5分足」は1日の動きでもジクザグに上げ下げしながら動いているのが分かります。
日経225先物は、ちょっとした変化に気付くことが大切な取引であるため、時間軸の違う「チャート」を同時に見て、売買判断を行っていくのがプロ投資家のやり方です。
このチャートは、松井証券のネットストックハイスピードというチャートソフトを使っています。
松井証券に口座があれば、無料で使えるソフトです。
かなりカスタマイズがしやすいため、私はこのソフトを好んで使っています。
初心者のための「日経225先物」の取引手法とは・・・
日経225先物取引で、初心者が安定した利益を得るには、どうすればいいのでしょうか?
さまざまな取引手法がある中で、私の経験等から考えますと、やはり短期の取引をすべきだと思います。
なぜなら、取引にはある一定のレバレッジがかかっているため、上手くいけば利益が大きくなりますが、逆に含み損を放置してしまうと、思った以上の損失を被る可能性があるからです。
そこで今回は、『日経225先物のデイトレードを極める』という動画を用意しました。
リスク管理上から考えると、初心者であれば「デイトレード」の売買が望ましいと思います。
まずは以下の動画をご覧いただき、感覚的なことを養っていただきたいと思います。
『日経225先物のデイトレードを極める』
まとめ
今回は、日経平均株価の意味と、それを売買するための代替金融商品である日経225先物の売買手法についてお話いたしました。
日経225先物は、単位の小さい「日経225mini」で行うようにしてください。
1枚あたりの売買は、10万円前後からと比較的小額からスタートできるため初心者でも比較的、取り組みやすいからです。
ただしレバレッジがかかりますので、リスク管理はしっかり行うことが重要です。
紫垣 英昭
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