紫垣英昭
昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介
今回は「短期売買に重要な目標設定」について、具体的に解説致します。
自分の投資プランを立てることによって、株式投資のパフォーマンスが格段に上がります。
さらに、私がオリジナルで作成したシートを使って記入方法をお伝えしていくので、「どのように目標を明確にしていけば良いのか分からない」という方は、是非参考にしてみてください。
※この動画は過去に撮影した動画を再編集したものです。
- 株式投資を行うのに必須な投資プランの作成の仕方がわかる
- 投資を行う目的、ゴールの設定ができる
- オリジナルの株式投資売買戦略構築シートを使って投資プランの作成が簡単にできる
投資プランの作成において大切な5つのポイント
具体的なロードマップを作成するには、以下の5つのポイントがあります。
- 投資スタンス(長期、中期、短期投資)
- 目標設定(いつまでに、いくら儲けたいのか)
- 現状認識(今の自分の知識、スキル、人脈など)
- 目標までの必須事項(ギャップをどうやって埋めていくのか)
- トレード日誌をつけること
投資スタンス
まずは「投資スタンス」です。
今回は、あくまでも短期売買というところにフォーカスを当てていますので、短期売買において必要なものを皆さんにお伝えしていきます。
ただし、株式投資といっても短期売買が全てではありません。
長期投資、中期投資、あるいはデイトレードといったものもある訳ですが、その中の何にするのか、まずはスタンスを決めてから投資プランを作成していきましょう。
例えば、「短期売買が目的でポジションを取った」にもかかわらず、含み損を抱えてしまったばかりに「長期投資のスタンスに変えてしまう」、これは絶対にやってはいけません。
「長期投資目的で買った」にもかかわらず、ちょっと利益が出たから「この利益が欲しいなとそこで決済をしてしまう」というのもダメです。
短期売買は短期のポジション。長期売買は長期のポジション。まずは1つ1つのスタンスを明確にすることが大切です。
目標設定
2つ目は目標設定。「いつまでにいくら儲けたいのか」ということです。
これは、車の両輪と一緒で「いくら儲けたいのか」だけではいけません。必ず「期限をつける」必要があります。
現状認識
3つ目は現状認識。「今の自分を冷静に第三者として見て明確にしてください」ということです。
例えば、今「株式投資に振り向けられるお金はいくらあるのか」「自分は株式投資についてどの程度の知識を持っているのか」「どの程度のスキルを持っているのか」、あるいは「いろんな人脈を持っています」など。
自分自身を冷静に見つめ直す作業が、この現状認識にあたります。
目標までの必須事項
4つ目は目標までの必須事項。「目標設定」と「現状認識」、この2つには当然ギャップがあるはずです。
例えば、「1年後に100万円のお金を200万円にしたい」という目標があったとしましょう。
しかし、今は100万円な訳です。100万円と200万円の間にはギャップがあるということ。
つまり、「このギャップをどのようにして埋めていくのか」というところを戦略的に考えていく必要があります。
「どのようなスタンスで」「どういう戦略に基づいて」やっていくのか、計画を立てていきましょう。
トレード日誌をつけること
5つ目は「トレード日誌をつけること」。短期売買の場合、特にこのトレード日誌が重要です。絶対につけてください。
面倒臭がってやらない方が多いですが、トレード日誌をつけることで「自分の長所や短所」「自分が犯しやすいミス」などが非常に明確になります。
自分が、今までどういう風にやってきたかという記録なので、修正をするためにはトレード日誌が欠かせません。
あまり詳細にする必要はないので、面倒に思わず、絶対にトレード日誌をつけてください。
どのようなフォーマットでも構わないので、とにかく自分の癖や自分の弱点、長所が見えるようなものにしましょう。
投資プランの作成には、この5項目が最低限必要です。
お話したポイント以外にも、ご自身で必要なものがあれば、それも付け加えて良いと思います。
結局、この投資プランが銘柄選びや売買の方法などに直結してきます。
基礎体力の部分となるので、しっかりやってから次へ進むようにしましょう。
株式投資売買戦略構築シート
こちらは特典教材のところにあるのですが、私の方でこういったフォーマットを用意しています。
自分で分かりやすくまとめづらいという方は、これを有効利用してみてください。
投資を行う目的
記入の仕方ですが、まず一番上。投資を行う目的は、「なぜ投資を行うのか」という基本的な目的を記入します。
これはなんでも良いです。家の頭金にしたいでも良いですし、結婚資金、あるいは車の購入資金でも構いません。最近では老後資金の足りないところを株式投資で補うという理由も多いです。
目標がないと株式投資をやる意味がありません。なんでも良いので、目的を書いてみましょう。
投資のゴール設定
次にその下。投資のゴール設定は、「私は今から1年後に資産をいくらにしたいか」ということを書くことを推奨します。
ほとんどの方は、このゴール自体が明確になっていません。
こうした部分を明確にしていくことで差をつけていきましょう。
現状分析、リソース、投資スタンス
次に一番下。現状分析、リソース、投資スタンスです。
現状分析の部分は、「今の自分そのままの状態」をここに書いてください。
例えば、資金がいくらある。あるいは、投資に振り向けられる時間がどの程度あるなど。現状を書いていきましょう。
真ん中のリソースの部分は、「自分の得意なものは?」と書いています。リソースというのはどういうことかというと「資源」ということです。
要は、「自分の資源や資質というのは何があるか」ということを明確にしておきましょうということです。
例えば、経理畑で仕事をされた方だったら、財務分析に明るいと書くなど。あるいは、車の業界でお仕事をされている方でしたら、自分は車の業界に明るい、自分の株式投資に役立てることができる部分を書いておけば良いと思います。
つまり、「自分の資質として他の投資家にない優位性は何なのか」ということを書くということです。
ゴールと現状のギャップを埋める行動
先ほどお話したように、当然、「現状」と「ゴール」との間にはギャップがある訳です。
「このギャップをどのようにして埋めていくか」ということに対して、箇条書きで書いていきましょう。
例えば、今回は短期売買の講座なので、短期売買で月にいくらずつ儲ける、あるいは、こういう手法をやってみるとか、土日に戦略を作って次の1週間に安定的な利益を得るなど。
「現状の自分」から「将来の自分が目的としているところ」に行くプロセスを書いていきます。
- どのような条件があればそれが達成できるのか
- 自分で達成できると思うのか
- 自分が何を実行すればこのゴールが達成できるのか
というところをまずは書きましょう。
「最初はこう思っていたけれど後々考えてみたらこれは関係ない」といったことはいくらでも起きます。何度でも書き直していきましょう。
自分が成長すれば、今まで見えなかったことも見えてくるようになります。
今まで分からなかったことが見えるようになれば、その見えたものをここにどんどん追加していけば良い訳です。
それを、今度は実行していきましょう。
必要がなければ、初期の頃にしか見えなかったものは、どんどん除外していっても良いと思います。
更新していくことによって、ここの部分がブラッシュアップされていきます。
何度も書き直していくことによって、より目的を達成する明確なプロセスが見えてきます。
「書けない」はなぜ起きるか?
「ギャップを埋めることが分からないから書けません」という方もいますが、書けない訳ありません。
結局、真剣に物事として捉えていないから書けないのです。
本当に目標達成しようと思っていたら、例えば、本屋に行って片端から本を読むなど、やろうと思えばいろいろなことができると思います。
「できることをやらずに分かりません」というのは、決して成功には繋がりません。
ここは、ご自身の努力においてやっていきましょう。
具体例を出すと、自分はITの業界に詳しいのでITの銘柄しか売買しないなど、自分の強みを生かしていくと良いでしょう。
ギャップを埋める行動には、正解がありません。
これは、是非実践して経験を積んでいってください。そうしないと分かりません。
経験を重ねてブラッシュアップしていけば、ゴール達成への確率が飛躍的に高まっていくでしょう。
まとめ
今回は、投資プランの作成方法を解説致しました。
私も、日頃から実践しています。証券会社や銀行のディーリングルームにいくと、皆さん同じようなことをやっています。
プロが欠かさずやっている訳ですから、一般投資家もやらないといけません。
今回の解説を参考に、明確な目標設定をしていただければ良いなと思います。
パフォーマンスは間違いなく上がっていくと思います。それは私が保証します。皆さんも是非、実践してみてください。
紫垣 英昭
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