紫垣英昭
昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介
「投資の教養」の紫垣です。
今回は、株の初心者でもすぐに使える“スイングトレード”の実戦的売買手法をお伝えします。
スウィングトレードで難しいのは「銘柄選び」と「エントリーポイント」です。
現在、上場している銘柄は3500銘柄ほどですが、その中から“ベスト”なエントリータイミングにある「銘柄」を選ぶことは至難の業であり、個人投資家がもっとも頭を悩ませることのひとつです。
でも、もし“投資ツール”を使ってスイングトレードに適したエントリータイミングにある銘柄を抽出できるとしたらどうでしょう。
あなたのスイングトレードは“劇的”に変わるはずです。
そこで今回の記事では、僕が実戦で使っている“投資ツール”で、今、投資すべきタイミングにある銘柄を抽出し、絶妙なエントリーを実現する“マル秘”テクニックをお伝えしたいと思います。
もちろん、どのようにして「利益を確定させるか」という手法もお伝えしますので、ノートを1冊用意していただき、最後まで読み進めていただきたいと思います。
- スイングトレードをするにあたって必要な環境や資金、銘柄の選び方がステップ形式でわかる
- スイングトレードを成功させるために必要なメンタル管理「マインド・セット」の仕方がわかる
- プロが教える「スイングトレードのエントリーや利益確定」のマル秘テクニックを伝授!
スイングトレードとは?
ではこれから、株のスイングトレードで勝ち続けるための実戦的手法をお伝えしていきます。
まずは、“スイングトレードとは”どういった売買なのか?という定義付けをさせて下さい。
一般的にスイングトレードとは、「数日から数ヶ月程度のトレンドを狙う売買手法」です。
期間に明確な基準があるわけではありませんが、「数日から3ヶ月程度」の期間で考えるのが誰もがしっくりくる期間だと思います。
したがって、これからは「数日から3ヶ月程度」の期間をスイングトレードの定義として話を進めていきます。
株価のトレンドを見極める
言葉だけでは分かりにくいと思いますので、以下の株価チャートの図をご覧ください。
(出所・松井証券ネットストックハイスピード)
この株価チャートは、ソニー(6758)のチャートです。
株価の上昇トレンドを示している図ですが、7日間程度のトレンドと、1ヶ月半程度のトレンドを囲んでいます。
最終的にこの上昇トレンドは1年ほど継続することになりますが、スイングトレードでは数日から3ヶ月程度の短期的なトレンドを狙って売買することになります。
したがって、数日から3ヶ月程度のトレンドを見極めることが大切になります。
投資の時間軸を明確にする
そこで重要になってくるのが“投資の時間軸”です。
スイングトレードは、数日から3ヶ月程度のトレンドを狙うことはお伝えしたとおりです。
しかし多くの個人投資家は、スイングトレードを実行している時の時間軸がとても不明確です。
例えば投資できそうな銘柄を見つけてエントリーするのは良いのですが、このときにある程度の投資期間が決まっていなければ良いトレードはできません。
「それは株価次第」というのは、バクチとあまり変わりません。
では、どれくらいの期間が良いかといえば、あなた自身が保有していて苦痛にならない程度の期間をまずは考えていただきたいと思います。
それが数日なのか、数ヶ月なのかは個人差があると思いますので一概には言えませんが、まずはあなた自身の感覚で良いので、苦痛にならない程度の期間をまずは決めてみてください。
スイングトレードを成功させるための「準備」
ではこれからスイングトレードを行うにあたっての「準備」についてお伝えしていきましょう。
以下の準備は、あくまで最低限必要なことで、全てではありません。
あなたが実際にスイングトレードを実行していく中で、必要なことはどんどん取り入れていきましょう。
取引の環境
まずは「取引の環境」ですが、できることならインターネットで取引することをお勧めします。
理由は当然「取引手数料が圧倒的に安い」からです。
スイングトレードは、比較的、短期間のトレンドを狙う売買手法のため、売買回数が多少多くなる可能性があり、できるだけ取引コストを安く抑える必要があります。
株式口座を開設できる証券会社には、以下のようなものがあります。
どの証券会社がいいか迷ったら、価格.COM などで調べるとよいでしょう。
口座は複数の証券会社に開設することができますので、気に入った証券会社3〜5社を同時申し込んでおきましょう。
(出所:価格.COM)
上記は、各社のインターネット取引手数料ですが、電話で売買発注する手数料の概ね10分の1以下で取引が可能です。
パソコン初心者でも十分使いこなせると思いますので、インターネット取引の環境を整えていただきたいと思います。
口座開設については以下の記事も参考になると思うので、ぜひ読んでください。
資金はいくらくらい用意すれば良いのか?
株式取引を始めるとき、もっとも多い疑問のひとつが「投資資金はいくらくらい用意すれば良いのか?」ということです。
これは投資対象や取引のやり方で変わりますが、普通にスイングトレードをしようと思うと、50万円程度というのがひとつの基準になります。
もちろんこれ以下でも投資は可能ですが、あまり資金が少ないと、投資できる銘柄が制限されたり、損失を被ったとき、継続できるかどうかという問題が出てきます。
したがって、スイングトレードを行う場合は、“50万円”をひとつの基準に考えていきましょう。
証券口座を開設する
インターネットが使えて資金を用意できれば、今度は取引できる証券会社の口座開設をします。
ここで疑問になるのが「どこの証券会社に口座開設すれば良いの?」ということですね。
不思議なことに「どこか1社にすべき」と思い込んでいる方が多いようですが、まったくそんなことはありません。
実際に取引ツールを使ってみないと分からないことがたくさんあります。
僕のおすすめは、「複数の証券会社を同時に口座開設する」ことです。
口座開設だけならお金がかかるわけではありませんし、今では各社「無料」で提供しているツールがたくさんあります。
まずは、複数の証券会社を同時に口座開設して、実際にツールを見てみることです。
それで最終的にどこをメインに使うかを決めればOKです。
(出所:価格.COM)
あと大切なことですが、いくら手数料が安いからといって、取引ツールが使いにくければ良くありませんので、そのバランスを考えるようにしてください。
取引ツールを実際に慣れておく
口座開設ができれば、取引ツールをあなたのパソコンにインストールして使えるようになります。
実際の取引は、証券会社に投資資金を振り込めば取引可能になります。
ただし、その前に取引ツールでどんなことができるのかを大まかに掴んでおいた方が良いでしょう。
・ログインID、パスワードの入力方法
・取引板情報の表示
・チャートの表示
・テクニカル指標のカスタマイズ
・発注方法
・資産状況の見方
など、あらかじめ覚えておくことで、いざ取引したときに慌てなくて済みます。
以下は松井証券、楽天証券のソフトの画面です。
(出所・松井証券ネットストックハイスピード)
以下は、楽天証券のマーケットスピードの画面です。
(出所・楽天証券マーケットスピード)
もし、これらツールの操作方法が分からない場合、一番手っ取り早いのは証券会社のコールセンターに電話し、直接操作方法を聞くことです。
コールセンターのスタッフは、丁寧に対応してくれます。
情報ソース
スイングトレードを始めるとき、やはり必要最小限の銘柄、相場環境の情報を掴んでおくことが必要です。
そこで実際に僕が売買するときによく使っているWebサイトをお伝えします。
ぜひ、参考にして頂きたいと思います。
■ヤフーファイナンス
誰もが知っている金融関係のサイトです。僕はこのヤフーファイナンスの「ランキング情報」を良く利用しています。
スイングトレードでは、上昇トレンド(空売りをする場合、下落トレンド)を見極めることが重要だとお伝えしましたが、ヤフーファイナンスの「値上がり率ランキング」を使えば、今日、どんな銘柄が上昇しているかが一発で分かります。
これらの情報をもとに、投資対象のヒントにしてください。
■日経新聞電子版
次に、日本経済新聞の電子版です。
僕はいつも、NY株式市場や、マクロ指標の解説を日経新聞電子版で情報を入手しています。
スイングトレードをするときには、今現在、株式市場や為替市場は、どんな環境なのかを抑えておくことも重要です。
そのためにこのサイトはとても役に立ちます。
■トレーダーズWEB
次に、トレーダーズWEBというサイトですが、このサイトにある「注目レーティング」という一覧を確認しています。
「注目レーティング」とは、国内外の証券会社のアナリストが、個別銘柄の「買い」「売り」「中立」といった投資判断を毎日公開しています。
またファンダメンタルズ的観点から「目標株価」も公開しています。
そのまま鵜呑みにすることはできませんが、重要な参考情報になるのは事実です。
下記の記事は、株初心者向けに、インターネット取引の始め方について書いていますので、併せて読んでみてください。
スイングトレードを成功させる「マインド・セット」
ここまでくれば、スイングトレードを実行するための下地はかなりできてきたと思います。
ただし、投資は「心理的要因」が損益状況に多大なる影響を及ぼします。
投資の判断を下す、あなた自身が強いメンタルを維持しなければなりません。
これから「スイングトレードを成功させるマインド・セット」について、同じ投資家という目線からお話していきたいと思います。
また、以下の記事もかなり参考になりますので、ぜひ読んでみて下さい。
勝率100%はありえない
まず、あなたにいっておきたいことがあります。
それは、「勝率100%はありえない」ということです。
誰しも株で損をしたくありません。
そもそも損をしようと思って、株を買うことなどありません。
そして、すべての売買が上手くいくことも絶対にあり得ないのです。
いくら自信を持って買った株であっても、失敗することは日常茶飯事です。
「この銘柄は絶対に儲かる」
「今、売ったら損をするから売りたくない」
といった気持ちは、あなたの心から排除して下さい。
そうでないと、痛手を負うことになります。
株式投資の世界に“絶対”はありません。
勝率100%も絶対に存在しないんです。
徹底した資金管理
プロの投資家の世界では、「成功の80%は、資金管理が要因」であることは当たり前の話です。
なにか特別な“ノウハウがある”から成功すると思われがちですが、これは全くの間違いです。
どんなに有効な売買ノウハウでやっても、「資金管理」がいい加減だとお金は減っていきます。
「損失は最小限に食い止める」
「株数をあまり大きくしない」
「必要以上のリスクを取らない」
などの「資金管理」を怠らないようしてください。
これは株でもFXでも、投資の名の付くものすべてが対象です。
銘柄は極力絞り込むこと
「この銘柄は上がるかも知れない・・・」
「この銘柄は良い材料が発表された」
このように次々と色んな銘柄を買い込む個人投資家は後を絶ちません。
結局良いと思ったものの、どの銘柄も含み損になってしまったという話は本当に良くあります。
銘柄の数が多くなればなるほど、資金管理、銘柄管理が複雑になり、結局は管理しきれないということに陥りがちです。
スイングトレードを成功させたいのであれば、極力銘柄は絞り込むことです。
特に初心者の個人投資家であれば、せいぜい“2銘柄”で十分だと僕は思います。
自分が持っていない銘柄が勢い良く上昇すれば買いたくなるのも分かります。
しかし、そんなことをしていれば資金は確実にパンクして余計なリスクを抱えることになります。
とにかく銘柄を絞り込むことを心がけてください。
精神的に苦痛になるまで追い込まれないこと
株を持っていて、それがあまり芳しくない動きになれば、どうしても“含み損”が気になってしまいます。
「あー、今日も下がっている・・・」
「含み損の額が増えてしまった・・・」
実際に投資経験のある人のほとんどは、このような経験をしているはずです。
このように、精神的に追い込まれれば追い込まれるほど、不思議と事態は悪化の一途を辿ってしまうものです。
このような“感情”を抱いていると感じたら、一度投資を中断することをお勧めします。
含み損になっているポジションはいち早く処分して、ポジションを持たない状況を作り出しましょう。
このように気持ちを整えることが次への投資の成功につながるのです。
自分にとって適切な「時間軸」を知ること
何度かスイングトレードをしていると分かってくるのですが、自分にとって投資をしやすい「時間軸」というのがだんだんと分かってきます。
僕の場合、デイトレードが中心なので、自分にとって適切な時間軸は「2週間程度」までだと考えています。
人によってはそれが数日かもしれませんし、数ヶ月の場合もあるでしょう。
自分にとって「1週間くらいが最適」と思っている人が、数ヶ月もポジションを持っている時は、単に損切りを先送りしているか、自分にとってあまり都合の良い状況でないことがほとんどです。
なので自分にとって「最適」と思われる「時間軸」で、売買をすることを優先してください。
それをすることで、スイングトレードの成功確率は一段とアップするはずです。
最初から“大儲け”は狙ってはいけない
“大儲け”することは、誰しも望むことだと思いますが、そんなにたびたび“大儲け”の機会など訪れることはありません。
“大儲け”というのは、あくまで結果論です。
初めから狙って取れることなどありません。
投資情報会社などから「この銘柄が大儲けできますよ!」なんて、誘い文句に乗ってみたものの、結果は散々という話は尽きることはありません。
初めから大きな利益を目論むのではなく、地に足をつけ確実に利益を取るという姿勢を忘れないようにしてください。
スイングトレードを実際にやってみる
これまで、スイングトレードの概念的な部分から、その準備、投資家のマインドセットというベースをお伝えしてきました。
これからスイングトレードの実戦的な売買手法について詳しく解説します。
じっくり読み込んで、あなたのスイングトレードを成功させて下さい。
「流動性の高い」銘柄を選ぶ
まずは“投資対象銘柄”をどのように選んでいくのかをお伝えしていきます。
現在、株式市場に上場している銘柄数は約3500銘柄ほどあります。
しかし、3500銘柄から絞り込むのは、さすがに骨が折れます。
そこで重要視してほしいのが「流動性」です。
「流動性」というのは、毎日数百万規模の出来高ができている、つまり毎日活発な売買があることを「流動性が高い」銘柄を対象にしてください。
「いや、そんなこと言われても、どうしたらいいのか分かりません」というスイングトレード初心者は、まず東証1部銘柄で日経平均採用銘柄の225銘柄に絞って下さい。
これなら金融機関などの機関投資家が日々、取引を行っているので、いつでも売買が可能です。
以下の記事でも、銘柄の基礎についてお伝えしていますのでご覧ください。
225銘柄から、さらに銘柄を絞り込む
225銘柄を毎日チェックすることは、それほど時間がかかるわけではありません。
僕は225銘柄をチャートソフトに設定しているので、すべてを見るのにせいぜい30分くらいですべてチェックしてしまいます。
でも初めての場合はやはり数が多いと思ってしまいますね。
そこで活用していただきたいのが、ヤフーファイナンスの「値上がり率ランキング」です。
別の記事で、このランキングの使い方をお伝えしているので、必ず読んでください。
たった3〜4日で60万円以上を稼ぐブレイクアウト株式短期売買の全手法※解説動画有
の次の部分をご覧下さい。
この「値上がり率ランキング」は、その日上昇率の高い銘柄がランキングで表示されます。
1位~50位くらいの銘柄の中から、日経平均株価に採用されている225銘柄をいくつかピックアップして下さい。
「値上がり率ランキング」に出てきたということは、その銘柄は新たな上昇トレンドが発生した可能性がありますので、この重要なサインを見逃さないようにしてください。
もし無いようなら、その日は見送り翌日同じようにチェックをしてみて下さい。
チェックが終わったら、銘柄名、銘柄コードをノートに書くようにしましょう。
一定期間、上下のトレンドを作っているかを確認する
では今度は、ノートに書いた銘柄を証券会社のチャートソフトを使い、チェックをしていきます。
その際、「一定期間、上下のトレンドを作っているか」を確認します。
以下のチャートは、三菱東京UFJ銀行の株価チャートです。
(出所:松井証券ネットストックハイスピード)
株価チャートに沿って、黒い線で株価の流れを描きましたが、このように定期的に株価の流れに起伏があるかを確認して欲しいのです。
銘柄によっては、この起伏があまりない場合もあります。
スイングトレードは、短期的なトレンドを収益化する売買手法ですので、一定期間株価のトレンドがあることが対象銘柄として大切になってきます。
そしてこれを続けていくことで、各銘柄がどのように「小さなトレンド」、「大きなトレンド」を繰り返しているのかが、だんだんとイメージができるようになってきます。
この作業の本当の狙いは、この“イメージ作り”にあるのです。
スイングトレードで必要な「チャート・テクニック」
では次に、実戦で使う「スイングトレードで必要な株価チャートテクニック」についてお伝えします。
この内容は極めて重要な内容になるので、必ず覚えるようにしてください。
絶対に知っておくべき「トレンドの定義」とは
まずはじめに、とても重要な定義をお伝えします。
それは「トレンドの定義」です。
このは「トレンドの定義」は、株価チャートを読み解く上で、必ず必要になるので絶対に覚えてください。
まずは、以下の図をご覧ください。
株価が上昇していくとき、必ず「高値、安値」が切り上がっていきます。また逆に株価が下落していくときは、「高値、安値」ともに切り下がっていくのです。
株価は必ずこの「トレンドの定義」にしたがって、上下動を繰り返すのです。
では実際の株価で見ていきましょう。
これはソフトバンク(9984)の「上昇トレンド時」の日足チャートです。
(出所:松井証券 ネットストックハイスピード)
見て頂ければお分かりのように、直近の高値を抜けて、「高値、安値」が切り上がりが起きています。
また下の図はソフトバンク(9984)の「下落トレンド時」の日足チャートです。
(出所:松井証券 ネットストックハイスピード)
今度は、直近の安値を割り込み「高値、安値」ともに切り下がっていくのがお分かりいただけると思います。
また上昇トレンド、下落トレンド以外に、株価が横ばいに動く“レンジ”というものもあります。
一定株価の上下の範囲で動いていることを見たことがあると思いますが、株価がトレンドを作る前に良く起きる現象なので覚えておくと良いでしょう。
以下の記事の
次の部分に書いてあります。
この「トレンドの定義」は、あらゆる銘柄で起きているので、いろんな銘柄の株価チャートをみて、イメージができるようにしていただきたいと思います。
テクニカル指標は“2つだけ”で十分
2000年以降、個人投資家はパソコンとインターネットの普及で、自分のパソコンでリアルタイムの情報を入手できるようになりました。
インターネット専業証券会社は、手数料の大幅な引き下げとともに、株価チャートなどを表示できる取引ツールを一般個人投資家に普及させました。
今ではリアルタイムで変動するチャートを見ることができるようになりました。
それを機に、テクニカル分析の投資ノウハウが爆発的に広がり、今では多くの個人投資家が株価チャートを使ったテクニカル分析によって投資判断を下しています。
テクニカル分析は、かなり多くの数が存在し、これらを上手く合成させて儲けを実現させるロジックを考える投資家も数多くおられるようです。
しかし、結果は芳しくないようです。
テクニカル分析は複雑にすればするほど、難しくなるものです。
僕はテクニカル分析をする際、移動平均線、トレンドラインくらいしか使いません。
というより、移動平均線とトレンドラインだけで十分と考えています。
この二つのテクニカル指標を使いこなすことで、スイングトレードを成功させることができるのです。
25日移動平均線を中心に使う
ではまず、移動平均線からお話しましょう。
以前、このブログで移動平均線について、詳しく解説しているので、まずは以下の記事を読んでください。
さて、僕がスイングトレードをする上で、一番注目しているのが、「25日移動平均線」です。
この「25日移動平均線」は、一般的なテクニカル指標であり数多くの投資家が注目している指標です。
理由は、月間の平均値が概ね掴めるからです。
実際に株価チャートと、25日移動平均線を見てみると、この25日移動平均線を境に、ある一定のトレンドを形成していることが多く見られます。
特に機関投資家が売買する、日経平均採用銘柄の225銘柄は、それが顕著に見て取れます。
もちろんこれは絶対法則ではありませんので、25日移動平均線だけを使っても間違うことは数多く起きますのである一定の傾向だと捉えてください。
トレンドラインの引き方
では次にトレンドラインについてお伝えします。
トレンドラインは、証券会社のチャートツールでカンタンに描くことができます。
トレンドラインとは文字通り、株価のトレンドを判定するために描く線のことをいいます。使い方は極めてシンプルです。
≪上昇トレンドの引き方≫
1.まず、株価チャートを表示させます。
2.株価の安値をタッチさせるように、右肩上がりに線を描きます。
3.すべての安値に接触させる必要はありません。概ね接触できていればOKです。
とてもカンタンですね。
では次に「下落トレンド」のトレンドラインの引き方です。
≪下落トレンドの引き方≫
1.まず、株価チャートを表示させます。
2.株価の高値をタッチさせるように、右肩下がりに線を描きます。
3.すべての高値に接触させる必要はありません。概ね接触できていればOKです。
まずはここまでできるようにしてください。
必ず「出来高」をチェックする
スイングトレードは、一定期間のトレンドを利益に変える売買手法です。
つまり、スイングトレードを成功させるためには、株価のトレンドが発生することが前提条件になります。
特に株価が強い上昇トレンドに突入するときは、必ず出来高が増加します。なぜそうなるかといえば、買う投資家が増加するからです。
下記、東レ(3402)チャートをご覧ください。
2014年10月から株価は急騰していますが、このとき、出来高が急増しているのがお分かりいただけます。
銘柄によって出来高の水準は違いますが、株価が上昇トレンドに入るときは、例外なく出来高は増えています。
一度、チャートソフトを使って確認して頂きたいと思います。
絶妙なエントリーを実現する“マル秘”テクニック
ここまでくれば、スイングトレードについて、かなり明確なイメージがついてきたことと思います。
ではここからは、実際に僕がやっている“スイングトレードのマル秘テクニック”をお伝えします。
“マル秘テクニック”というといささか大げさですが、初心者でも難なくできるノウハウなので、必ず習得してください。
25日移動平均線と、トレンドラインを合成させる
25日移動平均線を突破する、または25日移動平均線を割り込んだとき、トレンドが発生する可能性があることはお伝えしたとおりです。
しかし、それだけでは少し不安があるのも事実。
そこでエントリーポイントの精度をできるだけ引き上げる方法が「トレンドラインを合成」させるやり方です。
下記のチャートは、25日移動平均線と、トレンドラインを合成させたものです。
まず「買い」の場合ですが、株価が25日移動平均線を突破した時点で、下落のトレンドラインも突破しているこの状況が絶妙なエントリーポイントになるのです。
この瞬間を捉えてすかさず「買いエントリー」を行います。
当然、出来高が急増していれば、より精度は高まると思います。
次に「空売り」の場合です。
この場合、株価が25日移動平均線と上昇のトレンドラインを割り込んだことで、株価下落につながりやすくなります。
当然ですが、100%の成功率ではありません。
まちがった場合、すぐに損切りをしなくてはなりません。
このように、25日移動平均線に、トレンドラインを合成することで、通常の移動平均線だけを使って売買判断するより精度は格段に上がると思います。
25日移動平均線を越えた銘柄をスクリーニングする方法
もうひとつ別の方法をお伝えします。
この方法は今日、株価が25日移動平均線を越えた銘柄だけをスクリーニングして対象銘柄を絞り込む方法です。
この方法を知ることで、よりリアルタイムに25日移動平均線に絡んだ銘柄をピンポイントで知ることができます。
では具体的にお伝えします。
検索サイトで、「トレーダーズウェブ」を検索してください。
「トレーダーズウェブ」のトップページから、「投資ツール」⇒「銘柄スクリーニング」に進みます。
すると以下のような画面になると思います。
この画面の「17.引値と25MA」にチェックを入れて、買いの場合は「陽転」、空売りをする場合は「陰転」に設定して、右側の「表示」にチェックを入れます。
ページ一番下の「実行」ボタンを押せば、以下のようにスクリーニングの結果が表示されます。
ここでは「買い」を想定しているので、今日の大引けで、25日移動平均線を突破した銘柄をスクリーニングしました。
そしてこの中から投資対象銘柄を絞り込み、実際の株価チャートを使って上記のようにトレンドラインを引いてみます。
ちょうど反転ポイントだと判断したら、翌日、エントリーします。
この方法だと、かなり精度が上げられるはずですので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
確実に利益を仕留める「利益確定」のテクニック
株式投資やFX投資をしていて、もっとも難しいのが「利益確定」のタイミングです。
長年株式投資をしているベテラン投資家でも「利益確定」のタイミングは本当に難しいと考えているのが現状です。
「利益確定」の方法に特別な手法は存在しませんが、僕がいつも使っているやり方を中心に、「利益確定」の方法について触れていきたいと思います。
株価のピーク、ボトムでの利益確定を考えない
「絶妙なエントリーを実現する“マル秘”テクニック」によって、上手くエントリーできれば今度は、「利益確定」をさせることになります。
誰もが思うことですが、「買いエントリー」したら、株価のピーク(天井)で売却したいと思います。
そして「空売りエントリー」の場倍は、株価のボトム(大底)で買戻しをしたいと思うはずです。
しかし現実には、株価のピーク(天井)や、株価のボトム(大底)で決済などできるはずがありません。
またそれを見極めるための“テクニック”などもこの世には存在しません。
したがって、はじめからそのようなことは考えないようにして下さい。
不可能なことをいくらこねくり回しても、答えなど出てきませんので、「確実に利益確定」させることだけを考えるようにしてください。
トレンドラインを使って、利益確定をする
一番、シンプルな方法として、トレンドラインを使ってみることをおすすめめします。
考え方は極めてシンプルです。
「買い」の場合は、上昇のトレンドラインを割り込んだら利益確定します。
「空売り」の場合は、下落のトレンドラインを超えてきたら利益確定します。
「もう少し持てば、もっと儲かるかも?」と思うこともあるとは思いますが、それで失敗する個人投資家は後を絶ちませんので、はじめに決めた売買ルール通りに実行すべきでしょう。
含み益の金額で利益確定を行う
いつも僕は利益確定のタイミングは「含み益」の金額で決めることが多いです。
テクニカルだとどうしても“ヨコシマ”な考えが出てきてしまって、タイミングを間違うことがあります。
事前に予定していた「含み益」が実現した段階で、ポジションを一度解消します。
これの良い点は、確実に利益を懐に納めることができることです。
利益確定のタイミングが早すぎることもありますが、チャンスはいくらでもあるので気にしません。
まだまだスイングトレードの経験が浅い人は、下手にテクニカルチャートで考えず、「含み益」の金額で利益確定を適宜、実行することをおすすめします。
損失を最小限に食い止める「損切り」のテクニック
「これは絶好のエントリーだ!」と思って、「買い」または「空売り」のエントリーをしても、その期待が裏切られることは、しばしば起こります。
自分が思っている株価のイメージとは、間逆の動くことは排除することはできません。
そんなときは迷わず、一旦ポジションを解消すべきでしょう。
以下、絶対に守っていただきたい「損切り」についてお伝えします。
とにかく“小さい損失”で済ませること
誰も損をしようと思って株の売買をするわけではありません。
しかし、100%の勝率は存在しない以上、「損切り」をしなくてはならないときは必ずあります。
はっきり申し上げますが、金融機関で株やFX,債券のディーラーたちの勝率はせいぜい50%前後です。勝率が、80%なんてほとんどありません。
では彼らはなぜ勝てるのでしょうか?
理由はカンタンです。
すばやく損失を確定して“小さい損失”で済ませて、次の利益確定タイミングですべてプラスにしているからです。
どんな投資商品でも同じですが、売買をしていれば必ず「損切り」をしなくてはならないときがきます。
そんなときには「できる限り損失額を小さくする」ということに集中してください。
間違っても「待っていればまた回復するだろう」など“根拠のない期待”はすべきではありません。
イメージと違った動きなら、一旦損失を確定させる
「買い」または「空売り」のエントリーをしたとき、自分なりに株価のトレンドイメージを持っていることでしょう。
そのイメージを維持している限り、ポジションは持続ですが、明らかに「自分のイメージとは逆だ」というときには、一旦損失を確定させるべきです。
ここで過大な期待をすればさらに含み損を拡大させることになります。
したがって、絶対に根拠のない、過大な期待は持ってはなりません。
スイングトレードは、いくらでもチャンスはきてくれるのですから。
以下の記事でも、かなり重要なことをお伝えしているので、読んでいただきたいと思います。
まとめ
今回の記事はいかがでしたでしょうか。
初心者でも分かるように、かなり噛み砕いて解説をしました。
『絶妙なエントリーを実現する“マル秘”テクニック』は、あらゆる場面で使えるスキルだと思いますので、ぜひ活用していただきたいと思います。
とにかく慌てることなく、着実に実行することで、株価のトレンドを収益に変えることが可能になると思います。
紫垣 英昭
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