紫垣英昭
昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介
今回は、「TDトラップでトレンドモードを攻略する!」と題して、「損切りラインの決め方」「2種類のエントリーの仕方」「ボリンジャーバンドを使った短期売買の手法のまとめ」を解説します。
とても単純な方法ですが、プロのトレーダーもよく使う手法です。
ぜひ、皆さんも実践の中で使ってみてください。
※この動画は過去に撮影した動画を再編集したものです。
- TDトラップとはどのようなエントリー方法か
- 損切りラインの決め方
- トレンドモードの際の押し目でのエントリー方法
レンジモードの際の戦略
例えば、前日の高値(下の画像の赤線)を抜いたところでエントリーしたとします。
※このエントリー方法は、TDトラップという手法です(TDトラップについては後述します)。
この場合、損切りラインは前日の安値の2ティック下あたり(下の画像の下側の赤線)に設定します。
もし、ここで損切りということになれば、209円で買って199円で売っているので、値幅にして10円が損失になります。
また、ベイルアウトの手法であれば翌日の寄り付きですぐに利食いできます。
209円から216円なので、値幅にして7円が利益ですね。1,000株だったら7,000円、1万株だったら7万円です。
もしくは、2~3日持っていても良いかもしれません。基本的には、ボリンジャーバンドのレンジでは移動平均線までタッチする可能性が高いです。
空売りの場合も、むき出しの高値(下の画像の上側の赤丸2ヶ所)を見つけたら売りの準備をしましょう。
この場合も、損切りラインは高値の2ティック上です。
今回の場合は、ストップに触れずに株価が下落しているので、大きな値幅を取れます。
ボリンジャーバンドの下限まで値幅を取っても良いですし、移動平均線でタッチして利益確定しても良いと思います。
トレンドモードの際の戦略(TDトラップ)
次は、トレンドが出た際のやり方を解説します。
下の画像は、安藤ハザマ(1719)のチャートです。ボリンジャーバンドの+2σに沿う形で、ずっと上がっています。
このような強いトレンドが出ていると、なかなか押し目がない状況になりがちです。
ここで、TDトラップという手法をご紹介しておきたいと思います。
例えば、上の画像のように1本目のローソク足に対して上に抜けるような場合、1本目のローソク足の高値のところで逆指値の買いを仕掛けておき、この高値を抜けたところでポジションを取るという手法です。
「トレンドの定義」でお話ししましたが、高値・安値とも切り上がっているのが上昇トレンドです。
逆に、高値・安値ともに切り下がっているのが下降トレンドです。
トレンドは、前回の高値・安値をブレイクしていきます。
そのため、下の画像のように右端のローソク足は直近の高値の赤線を抜けているため、レンジモードからトレンドモードへ突入したと予想ができます。
ここで、本当にトレンドが発生しているのであれば、高値を抜いてくるはずなので逆指値の新規買いを入れておくという戦略が成り立つわけです。
実際にどうなったかというのが下の画像です。
翌日の始値で約定しているので、その日はマイナスになっています。
その次の日は、少し下で寄りましたが急激に上昇しています。
この後は、完全な上昇モードに入りますので、落ち着いて利益確定ができます。
このようにトレンドが出た時は、直近の高値もしくは直近の安値をブレイクしたタイミングで入る手法がTDトラップです。
トレンドモードの際の戦略(押し目を狙う)
ボリンジャーのトレンドモードに入った場合、押し目を狙う手法もあります。
下の画像は、ソフトバンクグループ(9984)の日足チャートです。赤矢印のあたりでトレンドモードに入ったと分かります。
先ほどの安藤ハザマでは、TDトラップをブレイクしたところでエントリーしました。
ソフトバンクグループの場合でも、TDトラップで利益確定まではいけます。
しかし、今回は押し目を狙う手法を試してみましょう。
下の画像の緑線のように、一旦ボリンジャーバンドの上限にいき、そこから移動平均線レベルまで押しました。そこから再び上昇トレンドに入りました。
これは非常によく発生するパターンです。
別のチャートでも見てみましょう。
下の画像は、サニックス(4651)の日足チャートです。
同じようにボリンジャーバンドの上限から、移動平均線レベルまで調整が入っています。
そして、その後に上昇トレンドに戻っています。
ボリンジャーバンドを使った売買のまとめ
今回のボリンジャーバンドを使った短期売買の戦略の手法をまとめると以下の通りです。
- レンジを狙うのかトレンドを狙うのかを明確にする
- 1日の出来高が極端に少ない銘柄にはチャンスが少ないので、手を出さないようにする
- ルールは相場全体の環境が変わらない限り、買えないようにする
- エントリーは躊躇せず、損切を迷わないようにする
- 利益は確実に取り、大勝を狙わないようにする
ここでお伝えした手法は非常に効果的です。
上記の決まりを守って、利益を上げていきましょう!
紫垣 英昭
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