紫垣英昭
昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介
株式投資には長期投資、スイングトレード、デイトレードなど株式を保有する期間によっていろいろな投資方法があります。
その中でも個人投資家に人気な投資方法は、すぐに結果が出るデイトレードではないでしょうか。
デイトレードはその名の通り、1日で売買を完結させる投資手法です。
とてもスピード感のある取引のため、買う銘柄を瞬時に判断しなくてはなりません。
今日はデイトレードではどのように銘柄を選んだらいいのかを「加速のある銘柄に付け!」というテーマで解説をしていきます。
- デイトレードでの売買タイミングが判断できる
- デイトレードに向いていない銘柄の判断方法がわかる
- 銘柄を選ぶ際の参考ツールが分かる
デイトレードには一日の中である程度の値動きが必要
デイトレードは1日の相場で値動きが少ないと、利益には結び付きません。
1日といっても午前9時から午後3時までマーケットが開いていますので、売買時間は合計で5時間です。
意外に思うかもしれませんが、私は1日5時間の売買時間の中で、実際にポジションを持つことは3時間もありません。
なぜかというと、基本的に値動きに加速のある銘柄しか取引しないからです。
加速のある銘柄とは
チャートを見ていると5分や10分など短時間で大きく値上がりする銘柄があります。この短時間で大きく値動きがある銘柄を「加速のある銘柄」と呼んでいます。
ここではチャートをみながら、具体的にどこが加速をしているのかをご説明いたします。後からチャートを見る分には時間を掛けて判断できますが、実際の相場では一瞬の判断が必要です。
加速があるチャート①
加速が付いている銘柄とはどのような動きをしているのでしょうか。参考に㈱オルトプラス【3672】のチャートを例にみていきましょう。
緑枠で囲った後場から、急激に値動きが出てきました。このチャートは5分足ですので、だいたい1時間の中で上昇トレンドが発生しています。
1時間の上昇トレンドだったとしても、実際にポジションを持つのは、緑の枠で囲ったところだけです。せいぜい10~15分くらいですね。
デイトレードは短時間で勝負を付けないと、売るタイミングを逃してしまい上手く儲けられません。
加速があるチャート②
これは㈱トプコン【7732】のチャートです。ほとんど株価に変化が無かったのに急に動き出したので、加速が付いているのが分かりやすいですね。
デイトレードでは上昇でも下落でも、加速が命です。先ほどもお伝えしましたが、デイトレードでは、とにかく活発に動いている銘柄を選びましょう。
加速がないチャート①
大成建設㈱【1801】の株価は、値動きがゆったりとしています。
ゆったりとしたチャートの場合は、ポジションを持たないようにしましょう。
待っていても含み益の領域にはなかなか入ってきません。含み益になったと思ったら、直後にまた含み損になったりします。
このようなのんびりした銘柄だと、テンポが悪いので売買のリズムを掴むことができません。
加速がないチャート②
こちらは野村證券(野村HD)【8604】の株価です。
市場が始まって少しすると株価が急上昇していますが、その後は値動きが小さくなっています。値動きが小さくなった時にポジションを取ると、どこで利食えばいいのか分からなくなります。
つまり相場に加速が付いていない、ということです。
これと比べると先ほどの㈱オルトプラスは加速がついて上昇トレンドになっているのが判断しやすいですね。
- デイトレードは短時間で売買を行わないと、売りタイミングを逃す
- 上昇でも下落でも加速が命!活発に動いている銘柄を選ぼう
- 値動きがゆったりした銘柄だと、テンポが悪いので売買のリズムを掴めない
加速のある銘柄の見つけ方
加速のある銘柄を発見するのに一番参考になるのは、「リアルタイムの値上がり率ランキング」です。
値上がり率ランキングに入る銘柄は、売買が活発に行われていて出来高も増えています。このような銘柄は買いのエネルギーが強いので、加速が付きやすいです。
こちらは楽天証券のリアルタイムで見られる値上がり率ランキングです。
引用)楽天証券
楽天証券でなくても値上がり率ランキングは、ほとんどの証券会社のホームーページで確認できます。
- 値上がり率ランキングで株価の変動が大きい銘柄をしらべる
- 5分足チャートで値動きをチェックする(出来高の増減や陽線の長さでいきおいを判断)
- 値動きが初動もしくはまだ上昇すると判断したら買う
まとめ
デイトレードは長期投資と違い、一瞬の判断力とチャートを見極める力が必要です。そのため初心者には難しいトレード方法といえます。
しかし今回ご説明した「加速のある銘柄」を選べば、勝率はグッと上がります。
4社のチャートを具体例として挙げましたが、もっと多くのチャートを研究して、デイトレードに向いている銘柄か瞬時に判断できるようになりましょう。
紫垣 英昭
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