紫垣英昭
昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介
今回は「エントリー、決済の判断」をテーマにお伝えいたします。
当然ですが「株式は安く買って、高く売る」のが基本です。
「そんなの当たり前でしょ?」と思ったあなたにこそ、ぜひ読んで頂きたい記事です。実は、これができていない投資家がほとんどなんです。
今回は、エントリーと決済の判断のポイントを、チャートを使って考えていきましょう。
※この動画は過去に撮影した動画を再編集したものです。
- 大型株での逆張り方法
- デイトレードでの利益を得られる幅
- 損切りを判断する心構え
多くの投資家は逆のことをしている
当たり前の話ですが、買いの場合、株式は安く買って高く売ります。
空売りを仕掛ける場合は、高く売って安く買い戻す。あえて言うまでもありませんね。
しかし、実際には逆をやっている投資家がほとんどです。
頭では分かっているのに、なぜ、そのような事になってしまうのでしょうか?
下の動画は、2015年3月12日時点のソフトバンク(9984)の5分足チャートです。
ギャップアップして寄り付き、しばらくすると大きく上昇します。
ほとんどの人は、赤枠のところで買ってしまうケースが多いと思います。
ソフトバンクをずっと監視している人でしたら、もっと早く気付いて買いのエントリーできます。
しかし、多くの場合は、ある程度上がり切った時に「あっ、今日はソフトバンクが上がっている!」と気付くのではないでしょうか。
そうすると、少し遅れて赤枠でエントリーすることになります。
一時的には含み益がでますが、いきなりズドーンと下げられてしまいます。これはよくあることですよね。
このチャートの場合は、その後どんどん下落していき買い値を割り込んでしまいます。結局、下がり切った辺りで損切りをします。
おそらく、デイトレードで結果が出せない方は、こういう取引をしているのではないでしょうか。
逆張りが機能する銘柄とは?
常に監視をしていて初動を捉えられる銘柄でないと、順張りで利益を出すのは難しいです。
今回のソフトバンクのような大型株でデイトレードをする場合は、逆張りを意識してみましょう。
例えば、下の動画のチャートの場合、ギャップダウンで始まりどんどん下がっていきます。
そして、赤枠の辺りで売りのエントリーをしてしまいます。その瞬間、株価が上昇します。
そのままホールドしていても、株価が上に行ってしまって、損切りが必要になります。
ソフトバンクのように大きな銘柄は、外国人投資家や国内の機関投資家、個人投資家も入ってくるので、空売りを適度に飲み込んでいきます。
このような銘柄は、逆張りが機能します。
ギャップアップで始まった場合
最初にご紹介したチャートの場合は、次のようにトレードします。
寄り付き後の下げたところで買って、上がり切ったら売るという戦略です。
デイトレードでは、こういったやり方が上手く機能します。
「後からチャートを見て言うのは簡単だろう」と思われるかもしれません。
しかし、今回のチャートは、ギャップアップして始まっているので、基本的には買い目線で入るのが王道です。
買い目線で入って、ドスンと下がった瞬間を買っています。このような場合は、上に行く確率が高くなります。
ギャップダウンで始まった場合
先ほどの2つ目のチャートの場合は、ギャップダウンで始まっています。
その後、ある程度株価が上昇していますが、始値を越えず株価が戻し切らなかったため、その後下落しました。
これは翌日のチャートですが、寄り付き後に大きく下げています。そして、瞬間的に値を戻しています。
このケースでは落ちたところで買うか、戻したところで売っていきます。
さらにその翌日、この辺りのチャートは比較的分かりやすいですね。
「上げて売られる」というのを2回繰り返しています。こういうケースは、値を戻したら売りから入るのが非常に効果的です。
ボックス圏で動く場合
このチャートは、ボックス圏で動いています。
この場合は、高値を越えられずに戻しところで売りを入れます。
デイトレードでは、いかに有利な位置でポジションとるかが重要です。そのため、基本的には逆張りが上手く機能します。
ただ、今回お伝えしていることは、ソフトバンクのような大型株を想定した逆張り手法です。
小型株や新興市場では、また違った値動きをすることが多いので気を付けてください。
大型株でデイトレードをするのであれば、逆張りを意識する
デイトレードで取れる値幅
デイトレードでは、基本的に底値で買って天井で売るなんてことは誰にもできません。せいぜい取れる値幅は動画内で示した赤枠くらいです。
せっかく取ったポジションが含み益になると、もっと増えないかなと思うのが人情です。
しかし、デイトレードは細かい利益の積み重ねです。まずは勝ち組になりましょう。
極端に言うと、利益は100円でも1,000円でもいいので、それを積み重ねることが重要です。
それができて、初めてポジションを長めに持って、含み益を膨らませて、利益確定するというのができるようになります。
損切りの判断
損切りについては、リスク管理でお伝えしましたが、100万円持っていて2%の2万円がリスク許容の範囲だとします。
だからといって、2万円になるまでポジションを保有する必要は全くありません。
どう見ても相場が弱いと思ったら、0.5%でも1%でも切ってしまえば良いです。それだけ損失の額が少なくなります。
切った途端に上がってしまったなんてことはよくあります。
それは、デイトレードをやっていると逃れることはできません。
デイトレードをやり始めの頃は、少しでもいいから利益で終わらせることを心掛けてください。
まとめ
今回の記事で「多くの投資家が逆のことをしている」という意味がお分かり頂けたでしょうか。
株式投資では「頭では分かっていても、実行するのが難しい」ことが多くありますよね。
それを実行するには、まず、頭で理解した後にチャートの研究・実践をして、自分の中に経験として落とし込んでいきましょう。
お伝えした内容を実践して頂ければ、あなたのトレードが、かなり改善されるはずです。
紫垣 英昭
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