ワールドカップ関連銘柄の注目銘柄とは?日本代表の躍進で上昇期待!

執筆者
プロフィール写真

紫垣英昭

昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介

4年に1度開催されるサッカーワールドカップ(W杯)は、オリンピックと並ぶ世界最大のスポーツ大会です。

2022年カタール大会は史上初の冬開催となり、日本代表も7大会連続の出場が決まっています。

ワールドカップは視聴率40%を超える国民的コンテンツとなっており、日本代表が活躍すれば、株式市場でもワールドカップ関連銘柄に注目が集まることが期待されます。

今回は、サッカーワールドカップの経済効果などについて解説した上で、2022年ワールドカップで注目されそうなワールドカップ関連銘柄についてチャート付きで紹介していきます。

この記事を読んで得られること
  • サッカーワールドカップの経済効果などについてわかる
  • 2022年ワールドカップで注目されそうなワールドカップ関連銘柄についてチャート付でわかる
  • 日本代表が躍進したtきの他の銘柄についての動向を考えることができる

ワールドカップ関連銘柄とは?

サッカーワールドカップとワールドカップ関連銘柄について簡単に押さえておきましょう。

サッカーワールドカップとは?

サッカーワールドカップとは、FIFA(国際サッカー連盟)が4年に1度開催する、男子サッカーの世界選手権です。

サッカーワールドカップは、オリンピックと並ぶ世界最大のスポーツ大会です。

全世界の総視聴者数は35億人を超えており、経済効果においては夏季オリンピックを凌ぐとも言われています。

日本でも、日本代表が初めて出場した1998年のフランス大会以降、視聴率40%を超えるキラーコンテンツとなっています。

過去6大会のサッカーワールドカップの最高視聴率は次の通りです。

過去6大会

W杯の平均視聴率

参考:紅白歌合戦の視聴率

1998年(フランス大会)

60.9%(クロアチア戦)

57.2%

2002年(日韓大会)

66.1%(ロシア戦)

47.3%

2006年(ドイツ大会)

52.7%(クロアチア戦)

39.8%

2010年(南アフリカ大会)

51.3%(パラグアイ戦)

41.7%

2014年(ブラジル大会)

46.6%(コートジボワール戦)

42.2%

2018年(ロシア大会)

48.8%(コロンビア戦)

41.5%

※出典:ビデオリサーチ

サッカーワールドカップは、過去6大会全てで紅白歌合戦を上回る視聴率を獲得しており、地上波テレビにおいては最も視聴率を取れるコンテンツとなっています。

ワールドカップ関連銘柄の概要

今回注目していくワールドカップ関連銘柄は、テレビ局や広告代理店、スポーツ用品企業などが該当します。

さらに、日本代表が躍進することになれば、日本代表のオフィシャルスポンサーにも注目が集まるかもしれません。

2022年サッカーワールドカップの日本代表オフィシャルスポンサーは次のようになっています。

オフィシャルパートナー

キリン

オフィシャルサプライヤー

アディダス

サポーティングカンパニー

朝日新聞、セゾンカード、大東建託、ファミリーマート、JAL、au、みずほ銀行、MS&AD、東洋タイヤ

ただ、日本代表のオフィシャルパートナーであるキリン、オフィシャルサプライヤーであるアディダスはともかく、サポーティングカンパニーまでは注目されることはないかと思われます。

2022年ワールドカップは史上初の冬開催に

2022年ワールドカップはカタールで開催され、史上初の冬開催となります。

日本代表はドイツ・コスタリカ・スペインと戦う

2022年サッカーワールドカップを戦う日本代表26選手は、11月1日に発表され、久保建英選手や堂安律選手、三笘薫選手ら世界の強豪クラブに所属する選手を中心に選出されました。

今回、日本代表は、2010年の優勝国スペイン、2014年の優勝国ドイツと同じグループEとなっており、グループリーグの突破が難しい「死の組」となっています。

2022年ワールドカップの日本代表の試合日程は次のようになっています。

日程

対戦国

11月23日(水) 22:00~

ドイツ

11月27日(日) 19:00~

コスタリカ

12月1日(木) 28:00~

スペイン

ドイツ・スペインと同組となったグループリーグを突破するのは厳しいですが、サッカー専門家によると、日本代表はかつてよりレベルが上がっており、逆にドイツ・スペインは優勝した全盛期に比べると戦力が低下しているとのことで、グループリーグ突破も決して夢ではありません。

何より、サッカーワールドカップの魅力の一つは、弱小国が強豪国を破る「ジャイアントキリング」が大会ごとに必ず起こっていることです。

2018年のロシア大会でも、日本代表は優勝候補のベルギーをあと一歩の所まで追い詰めており、今大会でも日本代表がジャイアントキリングを成し遂げてもおかしくありません。

日本代表が活躍すればワールドカップ関連銘柄に注目が集まる可能性

2022年カタール大会は、史上初の冬開催ということもあってか、ワールドカップはやや盛り上がりに欠けているという声もあります。

ただ、それは前回大会でも同様であり、また東京オリンピックも開催するまではそれほど盛り上がっていませんでした。

今大会も、日本代表が活躍すれば、日本中がサムライブルーの青で埋め尽くされることは間違いありません。

日本代表の悲願とされているのが、グループリーグを突破し、ベスト16で勝利して、史上初のベスト8進出となることです。

ベスト8まで進出すれば、株式市場においてもワールドカップ関連銘柄が注目される可能性があります。

ワールドカップ関連銘柄10選!

2022年カタール大会でも注目されるワールドカップ関連銘柄を見ていきましょう。

なお、各銘柄については、前回日本代表がベスト16に進出した2018年6~7月の値動きもチェックしておくようにしましょう。

【4324】電通グループ

広告代理店最大手の【4324】電通グループは、ワールドカップ関連銘柄を代表する銘柄の一つです。

電通グループは、2022年に日本サッカー協会(JFA)と8年のパートナーシップを結んだことを発表しています。

契約期間は2023年4月1日~2030年3月31日で、8年総額350億円の大型契約です。

【4324】電通グループの月足チャート

電通グループの株価は、コロナショック以降は反発し続けており、2021年には東京オリンピックに向けて反発していました。

ただ、日本代表がベスト16まで進出した前回大会の2018年6月前後にはほとんど反応がなく、ワールドカップ関連銘柄としては物色されていなかったと見られます。

【4751】サイバーエージェント

ネット広告代理店大手の【4751】サイバーエージェントは、2022年ワールドカップで注目される可能性がありそうなワールドカップ関連銘柄候補です。

サイバーエージェントは、ネットテレビ事業「AbemaTV」に注力していることで知られていますが、2022年カタール大会ではワールドカップ全試合が「AbemaTV」で中継されることが決まっています。

【4751】サイバーエージェントの月足チャート

サイバーエージェントの株価は長期的には成長を続けており、近年は傘下のCygamesが手掛けるスマホゲーム「ウマ娘」のヒットによりゲーム株としての性質を強めつつあります。

【2503】キリンホールディングス

ビール大手の【2503】キリンホールディングスは、日本代表のオフィシャルパートナーであるワールドカップ関連銘柄です。

キリンとサッカー日本代表の歴史は長く、まだJリーグも発足していなかった1978年に、サッカー日本代表を強化するための大会「第1回ジャパンカップ」が開催されました。

現在、サッカー日本代表の国際親善試合は「キリンカップサッカー」として知られていますが、その起源は1978年までさかのぼることになります。

【2503】キリンホールディングスの月足チャート

キリンホールディングスの株価は、中期的には下落傾向にあります。

なお、日本代表と関係が深いオフィシャルスポンサーとしては、日本代表のユニホームを作成しているアディダスがありますが、ドイツ企業であり、フランクフルト証券取引所に上場しています(銘柄コード:ADS)。

【7936】アシックス

「アシックス」や「オニツカタイガー」ブランドの競技用シューズ最大手【7936】アシックスは、ワールドカップ関連銘柄として物色されています。

アシックスのようなスポーツ用品メーカーは、ワールドカップやオリンピックが盛り上がることで特需が期待されます。

【7936】アシックスの月足チャート

アシックスは、2022年ワールドカップ前に物色されており、大会開催前のワールドカップ関連銘柄としては最も反応しています。

11月に好決算を発表したことも買われている要因の一つですが、決算発表で買われてからも上昇し続けており、これはワールドカップ効果による買いが入っているものと思われます。

【8022】ミズノ

ゴルフ・野球・競泳に強いスポーツ用品大手の【8022】ミズノも、ワールドカップ関連銘柄に位置付けられる銘柄です。

ミズノは野球のイメージが強いスポーツ用品メーカーですが、競技シューズなどサッカー用品も手掛けています。

【8022】ミズノの月足チャート

ミズノの株価は、アシックスほどではないものの、2022年ワールドカップ前に物色されていると見てよいでしょう。

【8281】ゼビオホールディングス

スポーツ用品専門店「ゼビオ」と「ヴィクトリア」を展開する【8281】ゼビオホールディングスも、ワールドカップ特需が期待されるワールドカップ関連銘柄です。

【8281】ゼビオホールディングスの月足チャート

ゼビオホールディングスの株価は、2022年ワールドカップ前には、アシックス・ミズノのようには反応していません。

【9409】テレビ朝日ホールディングス

民放キー局「テレビ朝日」の【9409】テレビ朝日ホールディングスは、2022年ワールドカップでも注目されるワールドカップ関連銘柄です。

テレビ朝日は、サイバーエージェントのネットテレビ事業「AbemaTV」に出資していることでも知られています。

2022年ワールドカップは「AbemaTV」で全試合中継されるほか、テレビ朝日系列では11月27日(日)に「日本 対 コスタリカ」戦が生中継されます。

【9409】テレビ朝日ホールディングスの月足チャート

テレビ朝日ホールディングスの株価は、テレビ局は衰退セクターという印象が強いこともあり、長期的には厳しい展開となっています。

【4676】フジ・メディア・ホールディングス

民放キー局「フジテレビ」を始めとするフジサンケイグループの【4676】フジ・メディア・ホールディングスも、2022年に注目のワールドカップ関連銘柄です。

フジテレビでは、12月2日(金)に「日本 対 スペイン」戦が生中継されます。

【4676】フジ・メディア・ホールディングスの月足チャート

フジテレビは不調が続いていることもあり、フジ・メディア・ホールディングスの株価は厳しく、コロナショック前の水準も取り戻せていません。

【9766】コナミグループ

ゲームやスポーツジム、カジノなどの多角経営をする【9766】コナミグループは、ゲーム株として注目される可能性があるワールドカップ関連銘柄です。

コナミグループはスポーツゲームに強く、サッカーゲーム「ウイニングイレブン」を手掛けていることから、ワールドカップ関連銘柄となっています。

【9766】コナミグループの月足チャート

ナミグループの株価は、ゲーム株全般が新型コロナ相場で巣ごもり消費の一角として買われたことから順調です。

【3030】ハブ

英国風PUBチェーン「HUB」や「82HUB」を運営している【3030】ハブは、ワールドカップが盛り上がることで急騰するかもしれないワールドカップ関連銘柄です。

ワールドカップが盛り上がれば、スポーツバーに特需が期待されます。

ここまで見てきた銘柄は、いずれも大型株であるため、ワールドカップで大きく急騰する可能性は低いですが、ハブは時価総額が100億円未満であるため急騰する可能性があるかもしれません。

【3030】ハブの月足チャート

ハブの株価は、スポーツバーという新型コロナの影響を最も大きく受けた業種であることから苦戦しています。

まとめ

今回は、サッカーワールドカップの経済効果などについて解説した上で、2022年ワールドカップで注目されそうなワールドカップ関連銘柄についてチャート付きで紹介してきました。

2022年ワールドカップはカタールで開催され、史上初の冬開催となっています。

日本代表は、優勝国のドイツ・スペイン、コスタリカとグループリーグを戦うことになり、グループリーグを突破し、悲願のベスト8進出を果たせば日本中が盛り上がることは必至です。

2022年ワールドカップ開幕前には、スポーツ用品大手の【7936】アシックスと【8022】ミズノが既に物色されており、日本代表が躍進すれば他の銘柄にも買いが波及することが期待されます。

紫垣 英昭