株とFXの違いは何？株式投資を初心者にすすめる理由とは

紫垣英昭

昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ２万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書３冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介

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投資で手持ち資金を増やしたいと考えたときに、株式投資やFXが思い浮かぶ方は多いのではないでしょうか。

どちらも代表的な投資手法ですが、「株とFXの違いがよくわからない」「初心者にはどちらがおすすめなの？」と気になっている方もいるかもしれません。

今回の記事では、株式投資とFXの違いについて詳しく説明します。

投資初心者にはどちらがおすすめなのか、理由も含めて説明していますので、「初めての投資で失敗したくない」という方はぜひご一読ください。

株式投資とFXの違い5つのポイント

まずは、株式投資とFXの違いについて、5つのポイントごとに詳細を見ていきましょう。

投資対象

株式投資は「企業」が投資対象、FXは「通貨」が投資対象となります。

投資対象の数にも違いがあり、FXよりも株のほうが投資対象の数が多いのがポイントです。

株の投資対象となるのは上場企業の株式であり、数ある銘柄のなかから自分が投資したい企業を選びます。

証券会社によっては、国内だけでなく海外の上場企業にも投資できるため、選択の幅が非常に広いです。

一方でFXの場合は、世界各国の通貨が投資対象となります。

世界各国といっても、実際にFXで取引対象となる主要な通貨はそれほど多くありません。

FXで大量に取引される「メジャー通貨」は、米ドル・ユーロ・円・ポンドなど数種類があります。

これに対して、売買量の少ない通貨を「マイナー通貨」と呼びますが、初心者が投資対象とするのは難しいでしょう。

新興国の通貨に投資することも可能ですが、多くの場合は取引制限があります。

投資金額

株式投資の場合は、最低でも数万円以上の資金が必要です。

大手企業の株に投資するとなると、数十万円、数百万円という単位で資金が必要になります。

一方、FXの場合は最低資金のハードルが低く、数千円からでも取引を始めることが可能です。

ただし、FX業者によって必要な最低資金額が異なるため、小資金で始めたい方は条件を確認しておきましょう。

株式投資よりもFXのほうが少ない資金で始められる理由として、レバレッジの存在が挙げられます。

FXはレバレッジを最大25倍かけられるため、手持ち資金よりも大きな金額で取引することが可能です。

変動要因

株とFXは投資対象が異なるため、変動要因にも違いが出てきます。

株式投資の場合、企業業績がおもな変動要因です。 決算・業務提携・合併・新規事業など、株価に影響を与える要素は多数あり、今後の成長具合を予想しながら投資判断を行ないます。

海外展開している企業の場合は、為替の影響を受けることも覚えておきましょう。

FXの場合は、その国の経済状況・金融政策などがおもな変動要因となります。

影響力の高い要人の発言によっても変動するため、海外の情報をリアルタイムで収集することが大切です。

投資効率

株は信用取引により保証金の最大3.3倍まで取引できますが、FXは最大25倍までレバレッジをかけられます。

投資効率の面から考えると、株よりもFXのほうが効率的といえるでしょう。

ただし、少ない資金で大きな利益を狙えるとはいえ、レバレッジをかけた分だけ失敗したときの損失額も大きくなります。

レバレッジのかけ方次第で、ハイリスク・ハイリターンの取引となることを理解したうえで、慎重に取引を行ないましょう。

取引時間帯

株式取引の取引時間帯は「9時～11時半（前場）」と「12時半～15時（後場）」に分かれているのが特徴です。

土日祝日・年末年始など、証券取引所の休日には取引は行なえません。 証券取引所によっては時間が異なる場合もありますので、事前に確認しましょう。

なかには夜間取引（PTS）の可能な証券会社もありますし、売買注文自体は時間外でも行なえます。

そのため、日中は仕事で忙しいという方でも、株式投資にチャレンジすることは可能です。

これに対して、FXの場合は平日の24時間いつでも取引できます。

自分の都合に合わせて取引できるため、そういった意味では株式投資よりも自由度が高めといえるでしょう。

投資初心者には「株式投資」をすすめる理由

前述したように株とFXにはさまざまな違いがありますが、投資初心者にはFXよりも株式投資のほうがおすすめです。

ここでは、株式投資が初心者向きである4つの理由を解説します。

多数の銘柄から、投資先を選ぶことができる

株式投資はFXよりも投資先の選択肢が多くあります。

約4,000銘柄の上場株があり、多数の銘柄から自分の好みで投資先を選べます。 投資先を自由に選べる分、初心者にとっては投資先の選定が大変であるように感じるかもしれません。

とはいえ、スクリーニングによって銘柄を絞ることができますので、それほど心配する必要はないでしょう。

情報量が豊富であるため、売買の判断材料にしやすい

投資で利益を得るには、効率良く情報を集めていく必要があります。

株はFXよりも出回っている情報量が多く、雑誌・アプリ・Webサイトなど、あらゆる場所から売買の判断材料を収集しやすいのがメリットです。

株式投資に関する情報を集めて企業分析を行なったり、プロの意見を参考にしたりして、自分なりの投資スタイルを確立していきましょう。

過去のデータを参照しながら、今後の予測を立てられる

FXよりも株式市場のほうが、圧倒的に長い歴史を持つことをご存知でしょうか。

世界初の株式会社は、1602年に設立された「東インド会社」といわれています。

一方、FX取引が行なわれるようになったのは比較的最近です。 世界初のFX取引は1990年代中盤、日本でFX取引が登場したのは1998年4月とされています。

過去のデータ量が豊富ということは、膨大なデータを参照しながら、今後の値動きを予想できるということです。

「しっかりと分析することで良い結果を出せる」という意味では、FXよりも株のほうが取り組みやすいといえるでしょう。

一方向の値動きが多く、トレンドを読みやすい

株式市場は一方向の値動きになりやすく、売買のタイミングを見極めやすいこともメリットです。

企業の業績が発表されるときなど、値動きが大きく変わることもありますが、基本的には一方向に動くケースが多くなります。

一方、FXの場合は短期的な値動きとなるため、ランダムな動き方に惑わされて投資タイミングを見失ってしまうケースが少なくありません。

そのため、上昇トレンド・下降トレンドがはっきりしている株式のほうが、初心者にとっては売買しやすいといえます。

まとめ

株とFXはどちらも人気のある投資手法ですが、初心者には株式投資をおすすめします。

実際にチャレンジする前に両者の違いを確認して、自分に合っている投資手法はどちらなのかを冷静に判断することが大切です。

FXは数千円程度、株は数万円程度から始めることができます。

表面的なノウハウばかりに振り回されるのではなく、投資の基本的な知識をしっかりと身につけていき、高いパフォーマンスで投資できるようにしていきましょう。

柴垣　英昭

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