老後2000万円問題を解決する!株初心者“超オススメ”勉強法

執筆者
プロフィール写真

紫垣英昭

昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介

今年、金融庁の金融審議会から公表されたレポート「老後2000万円問題」が、大きな話題となりました。

それを機に、それまで株式投資に興味がなかった人が、老後資金を確保するために株式投資を始めようと考えるようになりました。

しかし、いざ株式投資を始めようと思っても「いったい何から始めたら良いの??」という壁にぶつかる人が続出しています。

そこで役立てていただきたいのが、今回の記事です。

株式投資の世界には、さまざまな専門用語や指標、投資法があります。それらを全て覚えてから投資するとなると、頭の良い人でも何年もかかることでしょう。

それに、実際に投資を行う中で、さらに勉強すべきことが見えてきた結果、利益を増やしていくパターンも多いのです。

とはいえ、何の前知識もナシにいきなり売買するのは危険です。

そこで今回は、株式投資を実践するまでに最低限身につけておきたい知識や、効率的な勉強方法をお伝えします。

老後資金2000万円を確保するために、これから株式投資を始める人、始めたばかりで何から勉強すればいいのかわからないという人は、ぜひ読んでみてください。

この記事を読んで得られること
  • 株初心者が何から、どうやって勉強していったらいいかがわかる
  • 株初心者が最低限身につけておくべき知識は何か、どこで知識を仕入れたらいいかがわかる
  • 株の勉強の参考になるサイト等が具体的にわかる

株初心者はどうやって勉強すればいい?

株の勉強というと、難しい専門書を読み込まなければいけないようなイメージがありますが、そんなことはありません。

投資が身近になってきた現在では、初心者向けの勉強方法は多くあります。

例えば、インターネットでの検索。
「株 初心者 〇〇」などと検索すれば、初心者向けに基礎を解説してくれた記事が出てきます。
今こうやってあなたが、このページを読んでいるように。

そして、株初心者向けの本も多く出版されています。
「株入門」などの言葉がタイトルに入った本を2~3冊読めば、基礎知識をまとめて覚えることもできるでしょう。

つまり、基礎的な知識の勉強で言えば、本やネットでの独学でも十分というわけです。

値段の張るセミナーや教材を受講するなど、他の勉強方法もありますが、全くの初心者の人にはあまり意味がありません。

なぜなら、本当に自分にとって価値があるのか、内容を判断できないからです。
まずは最低限の知識を身につけて、そのうえで利益を上げるためにセミナーや教材を利用するといいでしょう。

 

株初心者が最低限身につけておくべき知識とは?

株式投資においてまず身につけておくべき知識は、株の仕組みや簡単な専門用語、注文方法です。

それぞれ解説していきましょう。

株の仕組みを理解する

株式投資と言うと、何か複雑で、頭の良い人しか理解のできない仕組みだと思われがちです。
しかし、それほど難しいものでもありません。

株式とは一体何なのかと言えば、「企業のオーナー(株主)になれる権利」のこと。
その権利を、細かく分割して売買している場所が株式市場です。

例えば、Aという会社の株が全部で100株あったとして、あなたが1株買うとします。
すると、あなたはこの会社に出資したことになり、1/100のオーナーになれるのです。

そして、オーナーであるあなたは、会社が稼いだ利益を受け取る権利があるため、株主が受け取れる利益全体のうち1/100を受け取れます。
これを専門用語で「配当(はいとう)」と言います。

また、株式投資の面白いところは、この権利を株式市場で転売することができるという点です。
買ったときよりもよりも高い値段で売れば、その差額が利益になります。

専門用語を理解する

株式投資をとっつきにくいイメージにしているのは、独特の専門用語が原因です。

例えば、株の世界では、日中に株式を取引できる時間のことを「ザラ場」と言います。
言葉だけ聞くとワケがわかりませんが、理解してしまえば簡単です。

わからない用語が出てきたら、下記のようなサイトでその都度調べておくといいでしょう。

SMBC日興証券|初めてでもわかりやすい用語集

注文方法を覚える

株を売り買いするときの注文方法は複数あるのですが、まずは次の2つを覚えておきましょう。

・指値(さしね)注文:価格を指定して売買する注文方法
・成行(なりゆき)注文:現在の株価で売買する注文方法

指値・成行以外の注文方法もありますが、必要に応じて追加で理解していくのがおすすめです。

注文方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
株初心者が知っておくべき、株取引の注文方法をわかりやすく解説

なお、株を注文するにあたっては、株を売買するための専用の口座、つまり「証券口座」を開設する必要があります。
証券口座を持っていない場合は、開設しておきましょう。

証券会社の選び方についてはこちらの記事で解説しています。
株初心者のための“オススメ証券口座10選”のポイント解説

 

株で利益を出すために勉強するべきこととは?

ここまでで、ようやく株を注文できるようになったわけですが、実際に利益を出していくための勉強も必要になります。

例えば、株の値動きを分析したり、銘柄の良し悪しを判断したりするための方法です。
基本として抑えるべきポイントを説明していきたいと思います。

株価チャートの読み方

株価チャートとは、このような株の値動きを表したグラフのことです。
株価チャートの見方がわかると、株価の動きを分析できるようになります。

数字だけで値動きを追っていると、過去の価格を覚えるのも大変です。
しかし、株価チャートがあれば過去の値動きが一目でわかります。

また、こうしてグラフにすることで、株価が上がっているのか、下がっているのか、全体の傾向がわかり、売買のヒントにもなります。

株価チャートにはさまざまなタイプのものがありますが、最初は一番メジャーな「ローソク足」と呼ばれるチャートの読み方を覚えるといいでしょう。

ローソク足の読み方は、こちらで解説しています。
株価チャートとは?初心者が知るべき4つのチャートの意味

企業の価値を分析する方法

値動きだけではなく、投資する企業の価値を分析する方法もあります。

どうやって分析するのかといえば、「株価指標」を使う方法が代表的です。
株価指標とは、その企業の売上や利益、資産、現在の株価などから本当に買う価値があるのかを計算した数値です。

さまざまな株価指標がありますが、まずは次の3つを覚えておくといいでしょう。

・PER(利益から見て、株価が割安かどうか判断するための数値)
・PBR(資産から見て、株価が割安かどうか判断するための数値)
・ROE(資本をどれだけ有効活用できているか判断するための数値)

使い方の例を挙げると、「PERの数値が10だから割安!買いだ」などと判断します。
(PER10が必ずしも割安とは限らないので、ご注意ください。)

株を始めたばかりの人にとっては、難しく感じるかもしれません。
最初は「こういったものがあるんだ」というくらいの認識で大丈夫です。

この他にも、財務諸表と呼ばれる、企業の損益や資産の状況が載った書類を読み込んで分析するような方法もあります。
このあたりの知識は奥が深いので、徐々に勉強していくといいでしょう。

財務諸表の読み方についてはこちらの記事で解説しています。
財務諸表を使った株初心者のためのファンダメンタルズ分析法

各指標については下記が参考になります。
PER
PBR
ROE

銘柄の選び方

銘柄の選び方というのは、正しい方法が決まっているわけではありません。
なぜなら、投資法によって選ぶべき銘柄が全く違うからです。

例えば、株価の動きのクセを利用して利益を出したいのなら、株価チャートを見ながら選ぶことになります。
これから業績の伸びる株を買いたいのなら、ROEなど指標の数値や企業の財務状況を比較して、銘柄をふるいにかけながら選ぶこともあります。

つまり、先ほど触れた株価チャートの読み方や、企業価値の分析方法を学ぶことは、銘柄選びにもつながってくるのです。

相場全体の流れを把握する方法

株式投資では、相場全体の流れを把握することも大切です。

いくら良い銘柄を買ったとしても、相場全体が値下がりしていれば、それに引きずられて一緒に下がっていくこともあります。
また、その反対に、相場全体が値上がりしていれば、特に理由の見当たらない銘柄でも値上がりすることもあります。

つまり、株式市場全体が上昇しているのか、下降しているのかを判断できると、利益を上げやすくなるわけです。

それをどうやって判断するのかというと、「TOPIX」や「日経平均株価」などの数値を確認することで判断できます。

「TOPIX」は、東京証券取引所に上場されている全銘柄の平均株価。
「日経平均株価」は、日本を代表する225社の平均株価です。

それぞれ各証券会社のホームページやツールで確認できるほか、リアルタイムではありませんがヤフーファイナンスなどでも確認できます。

TOPIX
日経平均

毎日続けて確認していくうちに、相場全体の流れや雰囲気をつかめるようになります。

 

株初心者が効率的に勉強する方法とは?

ここまで株初心者が勉強すべきことを紹介してきましたが、実はこれらを全て深堀りして勉強する必要はありません。
なぜなら、自分の投資スタイルを決めれば、勉強するべきことが自然に絞れてくるからです。

株式投資で利益を上げるための分析方法は、大きく分けて次の2つのスタイルがあります。

・テクニカル分析(主に値動きを分析して利益を上げる方法)
・ファンダメンタルズ分析(主に企業の財務状況や業績を分析して利益を上げる方法)

テクニカル分析なら、株価チャートの分析方法を中心に。
ファンダメンタルズ分析なら、株価指標など企業の財務状況を分析する方法を中心に学んでいけばいいのです。

どちらか自分に合いそうなスタイルを中心に勉強すると、必要な知識が身につきやすいうえに効率的です。その際は、少額で投資しながら勉強していくと、上達も早まるでしょう。

以下に、初心者が株式投資を始める際に参考になる記事をまとめていますので、こちらもぜひ勉強してみてください。

チャート分析で参考になる記事

ファンダメンタルズ分析で参考になる記事

 

まとめ

冒頭でもお話ししましたが、最も上達が早い株の勉強方法は、実際に投資をすることです。

ただ、何もわからない状態での投資はリスクがあります。
本やネットでも構わないので、今回紹介したような基礎知識を抑えておく必要があるでしょう。
そのうえで、テクニカル分析もしくはファンダメンタルズ分析のどちらかを中心に学んでいくと効率的です。

最後に、一つだけ覚えておいて欲しいことがあります。
それは、「常に勉強する意思を持ち続けること」。
利益を上げ続けているプロの投資家でも、常に勉強・研究しています。

面倒に思えるかもしれませんが、自分の勉強したことで利益を出せるようになることは株式投資の醍醐味でもあります。
みなさんも、ぜひ楽しみながらコツコツと勉強を続けていってください。

紫垣 英昭